棚に並ぶ品を見ている途中、セツナが手に取ったのは小さな布のおもちゃだった。
「これとかどうかな?」
ルカの前にそっと見せる。
ルカはじっと見つめて――
「それ、いい」
と短く答える。
「ほんと?」
セツナが少しだけしゃがんで、目線を合わせる。
「どこがいいの?」
「……やわらかい」
短い答え。
「そっか」
セツナは小さく笑って、
「じゃあ、これにしよっか」
と自然に決める。
そのやり取りを見ていたセイは、静かに息をついた。
気づけば、肩の力が抜けている。
――そのとき。
ルカが思いもかけない言葉を発した。
(第141話に続く)