セツナが選んだ帽子をセイがおもむろにかごへ入れたあと、
「手袋も見ておきましょうか」
「うん、そうだね」
そう言いながらセツナは頷き、隣のコーナーへと向かった。
その後もいくつか小物を選び、必要なものを一通り揃える。
会計を済ませ、店の外へ出ると、少し冷たい空気が頬に触れた。
「なんか、準備してるだけでも楽しいね」
セツナがそう言って、軽く笑う。
「……そうですね」
と短く返す。
そのまま、少しだけ歩く。
並んで歩く距離が、さっきよりほんのわずかに近い。
その距離感に、なぜかセイは、少しだけ胸が高鳴るのを感じていた。
(第138話に続く)