4日目の朝も、世界は昨日までと変わらずに動き出していた。
朝、いつもの時間に目を覚ます。
体はいつも通りに動いた。
着替えて顔を洗う。
ルカの食事を用意した後、自分も簡単な朝食を作り、1人で静かに食べる。
片づけまで含めて、すべてが滞りなく進む。
庭に出て、『幸せの種』とプチトマトを確認する。
プチトマトの芽は昨日とほとんど変わらない。
それでも、そこにあることを確かめてから部屋に戻った。
暖炉の前を通ると、自然と視線が向く。
オーナメントは昨日と同じ位置に並んでいる。
増えてもいないし、減ってもいない。
それを確認しただけなのに、胸の奥に、わずかな引っかかりが残った。
(……)
理由を探そうとして、やめる。
本当なら、今日はセツナが来る日だった。
3日に1度。
気づけば、それが生活のリズムになっていた。
寂しい、と言うほど強い感情ではない。
ただ、いつもあるはずのものが、今日は無い。
(……少し、寂しいのかもしれないな)
そう自覚したところで、どうすればいいのかは分からなかった。
その足元で、ルカが静かに近づいてくる。
何も言わず、すりっと足に身体を寄せてきた。
「……ルカ?」
返事はない。
ただ、その動きがやけにやさしい。
「ありがとう」
撫でると、ルカは満足そうに目を細めた。
胸の奥の引っかかりが、少しだけ和らぐ。
(第113話に続く)