窓から差し込む光が少しずつオレンジ色に染まり、部屋の中に長い影が伸び始める。
一息ついたところで、セツナと約束した日課を思い出す。
決めていた分だけ体を動かし、そのあと本を開いて、数ページだけ読む。
長くやるつもりはなかったが、やらないままにもしなかった。
夕方になり、またルカと一緒に食事をする。
ルカは新しい餌箱で、美味しそうにご飯を食べている。
それを見守りながら、セイも食事を摂る。
朝も昼も夜も、生活の中に、ルカがいた。
夜、ルカが丸くなって眠り始める。
その様子を見ていると、セイの肩からも、自然と力が抜けた。
『幸せの種』は、まだ芽を出していない。
庭は、朝と変わらないままだ。
それを確認した後、セイは灯りを落とし、静かに1日を終えた。
(第109話に続く)