■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第62話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

朝、いつもの時間に目が覚める。


着替えて顔を洗い、簡単な朝食を済ませる。

 

その一連の流れは、普段と変わらないものだった。


でも、ふと自然に頭に浮かんだのは、「庭へ行く」という行動だった。

 

『幸せの種』と、昨日、セツナと2人で組み立てた小さな透明ハウス。


プランターの上には、まだ湿った土が静かに横たわっているだけ。

 

芽が出るにはまだ早いのはわかっている。


それでもセイはしゃがみ、そっと土の表面を確かめた。


……乾燥はしていないようだな


念のため、少しだけ霧吹きで水を足す。

 

その動作が、どこかいつもより丁寧になっている自分に気づく。


……“彼女”が手をかけたものだからか)


それだけで、扱いが変わる。

 

胸の奥に、温かさが広がった。

 

部屋に戻り、上着を脱いでクローゼットを開く。

 

自然と視線は“空いたスペース”に向かう。


広くなったわけではない。

 

ただ、2人分”として意識してしまう自分がいた。


(次に来たときには、ここに、彼女の服が入るのだろうか)


想像のはずなのに、どこか現実味を帯びていた。

 

特別なことは何もない1日だった。

 

でも、静かに「誰かと暮らす気配」だけが、部屋に残っていた。

 

(第63話に続く)