■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第60話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
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道具と種を買うため、2人は歩いて街の園芸店へ向かった。


道中、セツナは小さな店先の飾りを見て立ち止まる。

 

「あ、見て。あの飾り、やっぱ可愛いよね」

 

入口に、季節の飾りが吊されていた。

 

……あんなの、ありましたか?

 

「前回からあったよ。もうすぐクリスマスだから、こういうの増えてくるんだよ」

 

その言葉で、街全体を見る。

 

確かに、色や光が少しずつ増えている。

 

……見えていなかっただけ、か)

 

意識が向いた瞬間、世界の情報が増える。

 

その少し先で、微かな光が視界に入り、胸の奥がざわついた。

 

……?」

 

「セイ?」

 

「いえ……少し、考え事を……」

 

理由は分からない。


言葉にする気にもならなかった。

 

「大丈夫?」

 

「はい……」

 

セツナは深く追及せず、それ以上は聞かなかった。

 

店内に入ると、2人はさっそく必要なものを手に取った。


プランター用の土は軽く湿ったものを選び、必要な量だけ袋に入れる。


小さな透明ハウスも確認し、サイズを合わせて2つ。


それから、ミニトマトの種カゴに入れた。


ついでに、手袋と小さなシャベルも揃える。


「これで、準備は大丈夫ですね


「うん、ちゃんと育てられそう」


セツナは楽しそうに笑い、セイも自然と微笑んだ。

 

レジで会計を済ませ、店を出る。


手にしたプランターやハウスの感触が、いつもより少しだけ重く感じる。


――一緒に手をかける時間が、これから始まるんだ。

 

そう考えただけで、セイは胸の奥に、温かい感覚が広がるのを感じた

 

(第61話に続く)