■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第58話) | 世羅の気功と日常ブログ

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また、静かな3日間が始まった。

 

拠点での生活は、思っていたよりもやることがある。


通常のプレイヤーにとって、拠点は立ち寄るだけの場所だ。


だがセイにとっては、生活そのものを支える場所だった。

 

食事をするには材料が必要で、使えば減るものもある。


気づけば、そうした細々とした必要事項が、頭の中の片隅に溜まっていた。

 

――買い出しに行くか。

 

理由としては、それで十分だった。

 

外に出る。


街は落ち着いていて、人通りも多くない。


それでもセイは、無意識のうちに人目につかない道を選ぶ。


必要な店だけを、順に回る。

 

食品。


手間のかからないもの。


保存のきくもの。


それから、使えば減る、生活を維持するためのもの。

 

棚の前で、ほんの一瞬だけ手が止まる。


……彼女にも必要だろうか


そんな考えがよぎったが、すぐに切り替えた。

 

必要なのは、自分の分だけだ。

 

判断に迷った理由を、あえて言葉にすることはしなかった。

 

いつも通りの量を選び、カゴに入れる。


それ以上でも、それ以下でもない。

 

帰り道、少し遠回りをした。


特別な目的があるわけではない。


ただ、家に籠もりきりでいると、身体が鈍る。


そのことを、セイは言葉より先に感覚で知っていた。

 

人目を避けるように道を選びながら、ただ歩く。


それだけで、十分だった。

 

拠点に戻り、買ってきたものを所定の場所に収める。


料理は簡単なものばかりだが、朝、昼、夜に温かい食事を摂ることで、時間が区切られる。

 

1日が、きちんと1日として終わる。

 

庭にも、変わらず足を運んだ。


芽は出ていない。


見た目には、何も変わらない。

 

それでも、確認すること自体が、すでに習慣になりつつあった。

 

(問題はない)

 

そう判断して、部屋に戻る。

 

夜。


ベッドに横になり、操作端末を1度だけ確認する。


新しい通知はない。

 

それを確かめてから、端末を伏せた。

 

……次は、2日後)

 

そう考えかけて、すぐに打ち消す。

 

ただ、時間の流れの中に、「その日」が、自然に組み込まれているだけだった。


生活は整い、拠点は静かで、セイ自身も、特別な変化を自覚することはなく、この3日間は、何事もなく過ぎていった。

 

(第59話に続く)