■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第55話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

3日間、特別なことは起こらなかった。

 

だが、いつも通りの生活はある。

 

朝、いつもの時間に目が覚める。


着替えて顔を洗い、簡単な朝食を用意する。


湯気の立つカップを手に取り、窓の外を1度だけ眺めてから席についた。


その一連の流れは、これまでと何も変わらないはずだった。

 

食事を終え、カップを流しに置いたところで、ふと、『幸せの種』のことを思い出す。


昨日、彼女と2人で土に埋めたばかりのものだ。


芽が出るには、まだ早い。

 

それは分かっている。


それでも、1度見ておこうと思った。

 

庭へ出る。

 

そこには、目に見える変化は何もない。


土があり、そして「何もないのに、確かに在る」という感覚だけが残っている場所。

 

セイはしゃがみ込み、少しだけ土の様子を確かめる。


乾きすぎているわけでもなく、湿りすぎてもいない。


それを確認すると、それ以上は何もしなかった。

 

部屋に戻り、身なりを整える。


そして、拠点の中で静かに過ごす。

 

誰かを迎える前提がない生活は、無駄がなく、取り立てて不便もない。


服は脱いだ場所に置き、使った物は、その辺に戻す。


1人なら、それで十分だった。

 

けれど、時々ふと、意識の端をかすめるものがある。

 

(次は……3日後か)

 

彼女が来る時間を、「予定」としてではなく、「前提」として思い出している自分に気づく。

 

だからといって、何かを準備するわけでもない。


それが自分らしい、とも思っていた。

 

そうして思いつくままに1日を過ごし、夜、ベッドに入り、セイはそっと目を閉じた。

 

(第56話に続く)