街の外れにある小さな採集エリアは、想像していたよりも穏やかだった。
「なんか、ピクニックみたい」
セツナが辺りを見回しながら言う。
「おっ、セツナってば余裕じゃん」
「えっ?でもこうやって薬草探すのって、平和だなーって思って」
「まあね。もう少し難易度が上がると、危険と隣り合わせになるけど、このクエストは例外みたいなもんだ」
「それで、素材ってどうやって探すの?」
「まずね」
ミズキは少ししゃがんで草むらを指す。
「回復系の素材は、“人に踏まれにくい場所”を見る。街道の端とか、岩陰とか」
「なるほど」
セツナは感心したように声を出す。
「さすが、詳しいね」
「ふっふーん、当然。私はいわゆる古参ですからね。ちなみに、次の素材はね――光」
「光?」
「そ。派手じゃないけど、夜とか暗い場所だとほんのり浮くやつ」
セツナはミズキに教わりながら、楽しそうに進んでいく。
その少し離れたところで、セイは別の方角を静かに探していた。
「セイ、そっちはどう?」
セツナが声をかける。
「はい、問題ありません。セツナさんたちは、どうですか?」
「うん、ミズキに教わりながら、なんとか探してるところ」
「そうですか。無理はしないでくださいね」
「うん、ありがと。セイもね」
「はい、ありがとうございます」
セイはそう言って、再び視線を地面に戻した。
「うーん、油断すると素材を見逃しそうになっちゃうね」
セツナはしゃがみ込み、足元を探している。
「まあね。でも慣れてくると、どこに目を向ければいいか分かってくるよ」
「そっか。あっ、もしかしてこれかな?……“やわらかい葉”」
「おー」
ミズキが感心したように言う。
「そうそう。ちゃんと見てるね、えらい」
「ほんと?よかった~」
「おっ、私も早速はっけーん」
ミズキは淡く光る小石を拾い上げた。
「これさ、夜じゃないと目立たないんだよ」
「さすが古参」
セツナが言うと、ミズキは肩をすくめた。
「まあね。これくらいは当然」
2人が笑い合っている少し先で、セイが声を上げた。
「お2人とも、こちらで“澄んだ水結晶”を見つけました」
「おー、さっすがセイ。やるじゃん」
「ありがとうございます」
「これで材料は全部そろったよね?」
「そうだね。それじゃ、戻ろっか」
素材を揃え、3人は並んで街へ戻る。
「思ったより早く終わったね」
セツナが言う。
「こういうクエストも、悪くないでしょ?」
ミズキが笑う。
「うん、ほんっと楽しかったよ。ミズキありがとね」
「どういたしまして~」
「僕も。初めてでしたが、安心して進めることができました」
「そっか、そっか」
3人は和気あいあいとした雰囲気のまま、街へ戻っていった。
(第24話に続く)