《ヒント1:過去・現在・未来》
「……いきなり壮大だね」
セツナが苦笑まじりに呟く。
「過去、現在、未来……全部に関係するものってこと?」
「おそらく、時間そのものではなく、3つを同時に含む“何か”でしょう」
「難しいなあ。でも、なんとなく分かる気もする」
「人の記憶や意識の在り方に近い気がします」
「意識、かあ……」
「少し考えさせられますね」
「うーん、確かに、でもこれだけだとまだわからないことだらけだから、次のチェックポイント行ってみない?」
「はい、その方がよさそうです」
「それじゃ、次のチェックポイントに行ってみようか」
《ヒント2:遠くて、近いもの》
「……これも抽象的だね」
「心的距離、あるいは関係性の距離でしょうか」
「えっと……いつも一緒にあるのに、普段は意識してない、みたいな?」
セツナの言葉に、セイは少しだけ目を見開いた。
「その可能性は高いです」
「もしかして心の距離とかかな?」
「なるほど、その線もありえそうですね」
「うーん、でもまだよくわからないね。次のチェックポイントに行ってみようか」
「はい、そうしましょう」
《ヒント3:当たり前のもの》
「……あ、これ、分かる気がする」
セツナは自然に言った。
「当たり前すぎて、気にもしてないもの」
「はい。失って初めて気づく類のものですね」
「あと無意識にやっちゃっていることとか?」
「なるほど…」
「そうだな~。例えば呼吸とかかな?」
「はい、そうですね」
セイはそれに頷いた。
「それに呼吸や心臓の鼓動は、意識しなくても勝手に動いています」
「そういえばそうだよね。止めようとしなくても、無意識に体が勝手にやってくれてるよね」
「手足の動きも同様です」
「え?」
「普通は『動かそう』と考える前に、動いています」
「……確かに」
セツナは自分の手を軽く握った。
「意識に上げていないだけで、いつもそこにあるもの、か」
「それじゃ、次のチェックポイントに行ってみようか」
「はい、そうしましょう」
(第18話に続く)