■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第16話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「セイ!来たよ!」

 

聞き慣れた声と同時に、セツナの姿が視界に現れた。

 

「あっ、セツナさん。今日も、来てくれて嬉しいです」

 

セイは一瞬だけ間を置いて、続ける。

 

……ところで、今日はどうしましょうか?」

 

「そうだね。じゃあ、今日も広場に行ってみようか」

 

「はい。そうしましょう」

 

2人は並んで歩き、いつもの広場へ向かった。

 

人の往来は相変わらず多く、談笑するプレイヤーとNPCの声が、穏やかに混じり合っている。

 

その一角で、セツナがふと足を止めた。

 

「ねえ、セイ」

 

「はい?」

 

「この前やったクエストボード、また見てみない?」

 

セツナが指差した先には、日常系クエスト用の簡易ボードが設置されている。

 

「短時間で終わるやつ、結構増えてるんじゃないかなって」

 

……確認してみます」

 

セイは表示を読み取り、数秒ほど視線を走らせた。

 

……これは、少し変わっていますね」

 

「え、どれ?」

 

セイが一つの表示を示す。

 

 

《簡易クエスト:消えた〇〇を探せ》


《形式:連想型》

 

《報酬:マネー+特殊アイテム〈幸せの種〉》

 

 

……消えた、〇〇?なにそれ〇〇って伏字?」

 

「どうやら、そのようです」

 

セツナは首を傾げながら画面を覗き込む。

 

「探すものが書いてないって、どういうこと?」

 

「ヒントを頼りに、答えを導く形式のようですね」

 

「へえ……なんか、面白そうじゃない?」

 

「はい。内容自体も、日常系に分類されています」

 

「しかも報酬が『幸せの種』って、なんか良くない?」

 

「幸せの種、ですか」

 

「うん。なんていうか……本当に幸せを育ててる気分になりそうでさ」

 

セイは少し考えるようにしてから、静かに言った。

 

「なるほど。物そのものより、そこに残る意味を大切にする……セツナさんらしい選択ですね」

 

「そう?」

 

「はい……僕の価値観とも、近い気がします」

 

「だったらさ、このクエスト、一緒にやってみようよ」

 

「はい。セツナさんさえよろしければ」

 

「決まりだね。じゃあ、最初のチェックポイントに行ってみようか」

 

「はい、そうしましょう」

 

2人はクエストを受注し、人の流れから少し外れた、広場の隅へと移動した。

 

(第17話に続く)