■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第8話) | 世羅の気功と日常ブログ

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―――しばらくして、ふたりは手掛かりを探すため広場を歩き始めた。

 

「情報、集まるといいんだけどね。まあミズキ任せになっちゃう前に、私たちも聞ける範囲で聞いてみよっか」

 

そう言ってプレイヤーやNPCに声をかけて回るものの、ログアウト不具合に関する手がかりはまったく掴めなかった。

 

ただ、その中でセツナはひとつだけ気になる噂を耳にした。

 

「ねぇセイ。なんかさこのゲーム、大規模サーバー移行するって噂、聞いた?」

 

「サーバー……移行ですか?」

 

「うん。ほんとに“噂レベル”なんだけどさ。最近ユーザー増えてるから、容量パンクしそうで増設するんじゃないかって」

 

「なるほど……それなら普通の話ですね……」

 

「でしょ? だからまあ気にしなくていいとは思うんだけど……でも、なんか引っかかるよね」

 

ふたりが話していると、ミズキが駆け足で戻ってきた。

 

「お待たせ!調べてきたよ!」

 

「どうだった?何かわかった?」

 

ミズキは息を整えて話し始める。

 

「結論から言うと“確定情報はなし”。ただね、1つだけ気になる話はあったよ」

 

「気になる話?」

 

「このゲームの出資者、スポンサーっているでしょ?そのスポンサーがさ一部のアカウントに何かしらの干渉をしてるとかしてないとか、そんな噂が出回ってるみたい」

 

「干渉……?」

 

「うん。でもほんとに“噂”。何をしてるかも曖昧だし、だれの話かすら分からない。断定なんて全然できないレベルだよ。ただ、そういう話だけはちらほら聞こえたって感じ」

 

セツナとセイは顔を見合わせた。

 

重い空気になりかけたところで、ミズキが思い出したように声を上げる。

 

「あ、そうそう。ついでに面白い話も聞いたよ!」

 

「面白い話?」

 

“特別な人”って設定あるでしょ?」

 

「あるね。でも使ってる人ほとんど見たことないけど」

 

「でしょ?あれ、デメリット多いから普通はスルーされるんだけど実はねあれって特別イベント発生率めっちゃ上がるらしいよ。ポイント貯めると色々できるとかなんとか」

 

「へぇそんなシステム、知らなかった」

 

「まあ私は拘束されんの嫌だから使わないけどね〜!」

 

冗談めかして笑ったあと、ミズキは手を振る。

 

「今日はこのくらいかな!また何かわかったら連絡するね!」

 

「うん、ありがとう」

 

ミズキが去り、再び静けさが戻る。

 

セツナは小さく息をつく。

 

「情報は増えたけど、解決にはまだ遠いね」

 

「はい……ですが、進展はしています」

 

ふたりの“距離”も、ほんの少しだけ。

 

そうしてこの日は静かに終わって行った。

 

(第9話に続く)