ミッツ・マングローブさん、といえば、インテリジェンス溢れる芸能界のご意見番

よく中森明菜についてコメントされているが、ご自身が明菜ちゃんの大ファンでおられるので 知識も格段に多く、新しい切り口からの展開がある

明菜ちゃんに限らず ほかの芸能人の方々についても同様で 上すべりの情報ではなく 知識としての情報とご自身のフィルターを通した意見なので信頼できる

 

その技量と才能から、2016年から週刊朝日に「アイドルを性(さが)せ!」という気になるタイトルで芸能界や芸能人についてのコラムを連載されています

Kiina は同コラムに複数回登場していますが、2019年掲載のものをたまたま見つけたので下記に貼り付けます

 

先日五木寛之先生のコラムを紹介しましたが、ミッツさんのコラムからも感じるのは、「Kiina の存在と方向性はこんなにも多くの方々に影響を与え、評価され、期待されていたんだ!」ということ

そしてその根底にあるのは「応援」です

 

さて、そのミッツさんの、今年の紅白に向けたコラムも見つけました

今年 NHKが掲げるのは「ボーダーレス」だそう・・・に対してミッツさんは「大切なのは ボーダーレス(borderless : 区別しない)ではなく ミクスチャー(mixture : 共存)」と述べておられます

後者は日本人にはきわめて不得手の分野・・・だからこそ、取り組まなければならないのかもしれません

 

そして気付いたのは、Kiina のステージと音楽こそが「mixture」ではなかったか、ということ

演歌あり、ロック、ポップスあり、シャンソンあり・・・ それらを混在させて最高のステージを体現してくれていた!

Kiina が試みたこともまた「borderless」であると同時に、ひとつずつ歌いたいジャンルを加えていった「mixture」だったと思えます

 

そして、ファンもさらに多様な「mixture」となりました

LIVEの変化を「受け入れる」「受け入れない」「受け入れないところから受け入れる」・・・ と、様々に分かれ、すべてに満足されるように苦心した様子が 近年のコンサートのセットリストに見てとれます ・・・ファン想いの Kiina だから 本当に悩んだだろうな・・・

 

ところで、私が思い出すのは 2019年の20周年記念 武道館ライブの最後にメッセージ入りの銀テープが放たれた時のこと

私は1階席だったのでしっかりテープを受け取って周囲と分け合いましたが、そばにいた黒服のスタッフが床に落ちていた一抱えをさっと拾い上げ、取りに行けない車椅子の方々のところへ向かい、渡している光景を見ました

幅広い年代から成るファン、それぞれが違う背景をもちますが、Kiina の歌を求め、応援している気持ちは変わらず、その一点でつながっている・・・「mixture」下では他者の視点をもつ機会も加わる・・・Kiina の公演では観客席にも そのやさしさが生まれていました

 

大切なのは「borderless」よりも「mixture」・・・ミッツさんの指摘で 忘れがちな、なにか とても大切なことを教えられた気がしました

 

・・・前後しますが ミッツさんが その前に書いていたコラムも最後に揚げます

今だからこそ 理解できる Kiina の苦悩とも思えるからです

 

 

 

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