王78年オフ②

 

年内にキングスを完結させたかったんですが、厳しくなってきました。

 

【ドラフト:余談】
 

この年のドラフトに向けて、アクセルソンが最初に目を付けたのはマジック・ジョンソンでした。

 

マジックはミシガン州立大で1年生のシーズンを終えたばかり。

アクセルソンは、マジックがドラフトにエントリーするよう説得しようとするんですね。

 

78年4月末、キングスのフロントから電話をもらったマジックはカンザスシティへ飛び、そこでアクセルソンと面談。

アクセルソンは、”もし君がドラフトにエントリーしたら、うちが指名して6年間20万ドルという契約をオファーするよ” と口説きます。

(※ドラフトに有望選手を誘い込もうとする、こうした行為はルール違反です)

 

マジックは、(本人曰く)この誘いに惹かれますが、お父さんの助言で大学に戻ることを決断。

お父さんは、「お前は18年間も一文無しだったんだから、あと1年一文無しでいられる」と諭したんだそうです。

 

この話には諸説あり、マジックが6年間20万ドルを要求しますがアクセルソンがそれに応じず、5年間22万5000ドルという契約をオファーしたから破談になったという話もあります。

【トレード二件】

 

ロン・ブーン&79年のドラフト2巡目指名権をナゲッツに放出し、マイク・エバンス&ダーネル・ヒルマンを獲得。

②クロンプトンもナゲッツに放出し、81年のドラフト4巡目指名権を獲得。

 

エバンスは6フィート1インチのG。

先のドラフトの1巡目第21位指名なんですが、この後、解雇されてしまうので詳細は割愛。

 

ヒルマンは6フィート9インチのF/C。

71~72シーズンにABA時代のペイサーズでデビュー。

NBA加盟後の76~77シーズンまで在籍し、昨シーズンはネッツとナゲッツでプレイしました。

 

一昨シーズンに行われたスラムダンク・コンテストのチャンピオンです。

 

①が行われたのは、フォードがホールドアウトに入って間もない6月末。

よほどブーンを出したかったのか、フォードとの契約に自信があったのか…

 

【9月半ば】

 

ビリー・マッキニー、マーロン・レッドモンドと契約。

2人とも、ドラフトで指名されたのは昨年なんですが、NBAでプレイできなかったのでルーキーです。

 

マッキニーは6フィートのPG。サウスポー。

ノースウェスタン大出身で、昨年のドラフト6巡目第115位でサンズに指名されました。

この年のドラフト2巡目でクリッパーズ入りするジェローム・ホワイトヘッドは従兄弟です。


マッキニーは、高校時代、野球でもイリノイ州代表となるほどの実力がありました。

その当時、野球のスカウトとして働いていたジェリー・クラウスは、マッキニーにプロとしての推薦状を書いているんですが、その一方でバスケットを続けるようにアドバイスもしています。

「バスケットボールを続けろ」

「お前はバスケットボールを続けることを勧める、数少ない6フィートの選手のひとりだ」

 

ノースウェスタン大時代のHCはテックス・ウィンター。

チームは強くありませんでしたが、中心選手として活躍。

ウィンターは、「ビリー・マッキニーがノースウェスタン大学に大きな足跡を残したことは間違いない」

「彼は真に模範的な学生アスリートであり、素晴らしい人間として長く記憶されるだろう」と高く評価しています。

 

カレッジ最後の試合では、試合終盤、大差で負けていたにもかかわらずウィンターはタイムアウトを取り、最後のプレイをデザイン。これにより、マッキニーは通算1900点を達成しました。

カレッジ時代の背番号30は、のちに同大のスポーツ史上初の永久欠番となります。

 

このオフ、マッキニーはNBAの幾つかのチームに連絡を取って自分をアピール。

キングスはマッキニーが接触したチームではなかったんですが、フォードのホールドアウトに加え、ベテランPGのルーシャス・アレンが故障を抱えていたことで(昨シーズン終了後につま先の手術を受けています)、マッキニーをトレーニング・キャンプに招待しました。


レッドモンドは6フィート6インチのSG。

サンフランシスコ大出身で、昨年のドラフト3巡目第60位でウォリアーズに指名されました。

同大の二つ下の学年にビル・カートライトがいます。

 

【ドラフト:めでたし】


ホールドアウト後、キングスの元にはトレードの打診が来ますが、アクセルソンはそれらを拒否。

フォードに関するトレード交渉の可能性について、「扉は閉ざされている」とした上、「フォードは1年間、どんなことがあっても我々のものだ」と付け加えました。


フォード側の意向をわかった上でドラフト指名した理由について、フィッシモンズは「彼をドラフトし、そこからチャンスを掴むしかなかった。この状況を好転させる必要があった。そして、フィル・フォードならそれができると思う」と答えています。

 

交渉に決着がついたのは、開幕まで2週間ほどとなった9月29日。

5年間100万ドルと報じられた契約を結びました。

 

フォードの心変わりの理由は、公に語られたところでは、フィッツシモンズとアクセルソンが、”キングスと契約することが彼にとって最良のキャリア選択だと説得したから” ということだそうです。

 

契約後のフォードはすぐチームに合流し、プレシーズンのデビュー戦から早速活躍します。

 

因みにこの後、フロントは、ドラフトで指名したクック、6月のトレードで獲得したエバンスを解雇しました。

2人とも来るシーズンはNBAでプレイしませんが、翌79~80シーズン以降、クックは8シーズン、エバンスは9シーズン、それぞれNBAで生き残ります。