帆79年オフ
まだ、昨シーズンのプレイオフが行われていた5月半ば、クリッパーズは大物の獲得に動きます。
【スーパースター】
ビル・ウォルトンと7年間700万ドルとう大型契約を結びました(この当時、最大級の契約)。
ご存知、将来の殿堂入りCがここで登場です。
ウォルトンは、74年のドラフト1巡目第1位でブレイザーズに入団。
怪我が多く、ここまでの5シーズンで約半分ほどしかプレイしていませんが、76~77シーズンにブレイザーズが優勝したときにはファイナルMVPを受賞☆
77~78シーズンにはシーズンMVPも受賞しています☆
ただ、その77~78シーズン終盤、左足の指の間の神経を痛めてラスト22試合を欠場したあたりからキャリアが暗転。
プレイオフで復帰するんですが、復帰2試合目に再び足を負傷。ここで左足の舟状骨骨折が確認され、そのままシーズンを終えました。
ウォルトンはこのときのブレイザーズのメディカル・ケアを批判(詳しくはブレイザーズ編で)。
トレードを要求していました。
ブレイザーズもトレードに向けて動きますが、これが成立しません。
幾つかのチームとの交渉が行われましたが、ウォルトンは負傷から半年ほど経った78年10月の段階でもギプスをはめており、いくらMVPとはいえ、復帰時期のわからない選手を積極的に欲しがるチームはなかったようです。
ウォルトンはサンディエゴ出身で、故郷でのプレイを喜び、クリッパーズを優勝させたいという意欲も見せます。
怪我の具合については、「足は最高の状態だよ。問題ない」と話しました。
(79年2月になってようやく、“1ヶ月後に復帰できるかもしれない”という状況だったらしいので、5月の段階で完治していたのは辻褄が合います)
ただ、補償内容で両チームは合意できません。
そのため、NBAコミッショナーのラリー・オブライエンに裁定を委ねることになるのですが(少し時間がかかります)、これがクリッパーズにとって大問題となります。
【6月】
①ドラフト前にボブ・キャリントンと契約。
②ドラフトでは最も上位の指名権でも3巡目第55位しか持っておらず、指名した選手は誰も残りません。
キャリントンは6フィート6インチのSG。
76年のドラフト2巡目で指名された選手なんですが、ここまで、NBAでは77~78シーズンしかプレイしていません。
【ウォルトンの見返り】
9月18日頃、オブライエンが、ウォルトンとの契約に伴う補償内容を裁定。
次のような内容となりました。
カーミット・ワシントン、ケビン・クナート、ランディ・スミス、80年のドラフト1巡目指名権
(※クリッパーズは、スミスの代わりに82年のドラフト1巡目指名権&35万ドルをブレイザーズに譲渡することも可)
これは2シーズン前のMVPの見返りとしても過大なもので、ロイド・フリーは「チームを壊している」「家族の誰かが死んだようなものだ」と痛烈批判。
当事者のウォルトンは以下のようにコメントしました。
「これは公平だとは思わない」
「思いもしないことだった。コミッショナーがいい選手たちを3人も奪ってしまった昨日の朝まで、僕たちは優勝まであと一歩というチームだった」
「間接的ではあるけれど、僕にもある程度の責任がある」
選手会事務局長のラリー・フレイシャーも、この補償を「他チームがFAと契約するのを阻止するための過大なペナルティ」と考え、リーグを提訴するかどうかを数日内に決めると述べました。
(確認した限り、この後に提訴はしていなさそう)
9月21日、クリッパーズのフロントはこうした状況を受け、スミスをまずキャブスへ放出し、80年のドラフト1巡目指名権を獲得。
そして、82年のドラフト1巡目指名権&35万ドルを見返りとしてチョイスしました。
取引が手続き上まとまった後も、“ワシントンとクナートがブレイザーズ行きを拒否するかもしれない”という報道が出るなど、この一件は尾を引きます。
(最終的には二人とも開幕からブレイザーズでプレイしますが)
【不運】
9月28日、プレシーズン4戦目でウォルトンが左足を負傷。
これが実はまたしても重症なんですが、痛む箇所と(のちに判明する)実際の負傷箇所が異なっていたようで診断は難航。
当初は左足の靭帯捻挫のように診断されました。
この時点では、“開幕には間に合わない”といったところでしょうか。
【補強】
①スタン・ピートカヴィッツと契約。
②ブライアン・テイラーと再契約。
③マービン・バーンズと契約(10日ほどで解雇)。
④86年のドラフト1巡目指名権をシクサーズに放出し、ジョー・ブライアントを獲得。
ピートカヴィッツは、昨シーズン、クリッパーズを解雇された後はCBAのアンカレッジ・ノーザンナイツというチームでプレイしていました。
テイラーとは3年間130万ドルで合意。
ジーン・シューHCは、昨シーズンの時点で、長期契約を交渉することも可能だと考えていたようです。
③④はウォルトンの負傷後の動き。
ブライアントはキャリア4年のF(6フィート10インチ・200ポンド)で、ご存知、コービー・ブライアントのお父さん。
シクサーズでは控えながら一定の役割を得ており、この人もまたジーン・シューHCの教え子です。
C並みの上背がありますが動きはとてもスムーズで、ウィングの選手やGのようなプレイを見せます。
フィジカルの強さには欠けますかね。