三月八日≪繁昌亭昼席≫【染弥奨励賞受賞記念】 | 黄昏亭銀三の ≪おもろ楽しや寄席三昧≫

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【たそがれていぎんざ】と申します。
管理人自らの寄席紀行。

あと、少しのお笑い全般の話を少々・・・。
但し・・・あくまでも趣味の範囲で・・・
以後御贔屓御鞭撻の程、隅から隅までずいと
御願い挙げ奉りまする

さて昨日の朝席に続きまして行って参りました、繁昌亭昼席。今席は
林家染弥第8回繁昌亭奨励賞受賞記念ウィークということで染弥さんが中トリでの御出演です
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立て看板は芸歴三十年以上の噺家さんのみとされておりますが、
今席は染弥さんの看板も用意されてます。
今日の一番太鼓は寅之輔さん。
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≪今日の根多帳≫
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開口一番は、愛染さん。毎度おなじみのお噺で一席。朝席とくらべ昼席はようウケてはりました。
やはりお客さんの層が若干違ったようで、団体さんもあり【笑いにきました】って感じでよかったです。
さて次のかい枝さんは、今席はトリ前のひざがわり(もたれ)と口上の司会の出番でしたが、
今日はこの後のお仕事の御都合で、二つ目の出番で、その後直ぐの移動ということです。
上方ではこの噺は【餅屋問答】で演じられることが多いですが、今日は【こんにゃく問答】で。
持ち時間もありコンパクト版でしたが、ポイントポイントは省略されてなかったので、面白かったですし
会場もようウケてました。
さて三番手は春雨師匠。虚弱体質キャラでお馴染み。ご存知の方も多いと思いますが、
この師匠は、上方落語界では大変珍しく・・・というより他にない東京出身で
上方落語を演じられてます。
関東出身では他に円笑師匠もいらっしゃいますが、江戸落語を演じてはりますので
恐らく唯一だと思います。
ネタもキャラを生かしたネタで自虐的ギャグも盛り込み大変面白かったです。
続いては鶴瓶門下の由瓶さん。この方の落語会も何回かおじゃましましたが、
語り口がしっかりしてはりますので、大変好きです。江戸落語の権太楼師匠に何となく似てはるので、
噺も合わされたら面白いなぁ・・・って前も書いたような・・・・ともかく将来大変楽しみです。
続きましては、林家染弥第8回繁昌亭奨励賞受賞記念ウィーク記念口上。
高座に向かって右寄り、春雨師、福團治師、染弥師、染丸師、司会の染二師です。
本日のみの司会の染二師匠、弟弟子さんおことですので、思わず司会でありことを忘れて熱弁、
染丸師匠に「ようしゃべるなぁ」と突っ込まれ笑いを誘ってました。春雨師を体全身使った口上で大うけ、
福團治師匠は若い時分から目をつけてらっしゃたと本人さんを持ち上げ、
染丸師匠は簡単なご挨拶のあと、御本人の染弥さんにバトンタッチ。
通常は口上では本人は頭を下げるだけでしゃべらないんですが、今回は特別に受賞の御礼と
秋の襲名の挨拶をされ、最後は染丸師匠が締められました。
口上後は、染弥師匠、今席は滑稽噺と人情噺を織り交ぜて掛けられてますが、今日は滑稽噺で。
会場も大ウケの大爆笑で、自らの受賞記念ウィークを飾られました。
中入り後は久方ぶりの染丸師匠の御登場で、【絵噺】と【人形噺】を。
絵噺は小噺をスケッチブックに書いた絵と共に演じる大変判りやす噺で面白かったです。
人形噺は師匠を中心に、右手を愛染さん、左手笑丸さんが二人羽織の要領で、
踊りを踊る芸です。勿論踊りはバッチリと決めて寄席芸らしく最後はオチがまっておりました。
染丸師匠は『リハビリにお付き合いください』と笑わせてはりましたが、思ってたよりお元気そうで
愛弟子の受賞記念ウィークに華を添えられました。
続きまして、福團治師匠。今日は『鼻の狂歌』この噺は真田幸村の家臣のお侍が刀で鼻を落とした
設定になっておりますが・・・・・江戸では今でも【とある伝染病】で鼻が落ちた設定になってるそうで、
(まぁ鼻が落ちる伝染病といえば限られてますわな)
先日、江戸落語の桂文治師匠とfacebookでやり取りをさせていただいた際、
江戸では『鼻欲しい』として個人の落語会ぐらいでしか演じられていないと。
その時に『上方では福團治師匠がこんな設定で掛けられてます』とお話したら、
それなら大変やりやすいので参考にさせていただきますとおっしゃってました。
しかし今日このお噺を拝見して改めて福團治師匠の芸の凄さを目の当たりにしました。
それは馬に乗る場面。会場も思わず『おぉ~~』と声が上がるほどリアルでした。
サゲも聴きなれない方からしたら分かりにくいが分かりやすいサゲなので最後に爆笑で〆はりました。
さていよいよ大詰め、笑丸さんの登場です。今日は珍品中の珍品。
最初笑丸さんのオリジナルかなと思ってましたが、何と古典落語で、
六代目松鶴師匠も掛けられてたそうで、7今はほとんど演じられる方が
ありませんでしたが、笑丸さんが一から台本を掘り起して講釈部分はほぼオリジナルで再構成された
お噺だそうです。ちなみに江戸落語では【五目講釈】として柳家三三師匠が
時折かけてられるようですが、大変珍しい噺です。居候の若旦那がどこの若旦那かで
サゲも変わります。笑丸さん版は神社の息子版。江戸版は薬屋の若旦那が多いようです。
あと講釈部分はその時々の流行歌やらを織り交ぜて変幻自在に演じられるという
大変楽しくお客さんの層にも合わせられるので、大変便利なお噺かと思います。
実際今日も講釈部分、大うけでした。
大トリは染丸一門の総領弟子の染二師匠。今日は六代文枝襲名披露大千穐楽があって、
ほとんどがそちらに向かってる中、繁昌亭で落語会をするという自虐且つ宣伝ネタで笑わせました。
そして今日は酔っぱらい噺の替り目で最後をビシッと締めてくださいました。
前日にfacebookでお友達になって頂いたこともあって、笑丸さんとご挨拶方々お話させていただき、
繁昌亭をあとにしました。
さて次回の寄席紀行は久しぶりの道頓堀角座の月夜はなしの会
米朝事務所と松竹芸能の会、米松落語会へおじゃま致します。
楽しみ楽しみ・・・。