Grand theft auto 4 | せんしゅ犬のマニアック選手権

せんしゅ犬のマニアック選手権

各種趣味のジャンルあるもさほどマニアックにもあらず・・・

さてこのゲーム、日本語にすると車泥棒、つまり元々車を盗んで乗り回すというゲームが始まりだったのですね。なんてひどいゲーム?

いわゆる洋物ゲーですが、事なかれ主義の日本の発想では生まれなかったであろうゲームですね。


初めてシリーズをプレイしたのがシリーズ3作目(PS2発売)でした。

要はこのゲームを一言で表すと、箱庭の中で好きなように好きな車を乗り回す、という事でしょうか。
ただただ、車を市内で乗り回すというだけで楽しいんですが、
それにストーリーを少しまぶして、ゲーム性を高めたといった感じです。


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<そして無法地帯>
これだけですと平和に車乗ってドライブするゲームか、と思うのですが、
まず車の入手方法が、窃盗、強奪なんでもありです。
抵抗する市民を無理やり引きずりおろし、同乗者が泣き叫ぶにを無視し強奪・逃亡・・・


中には追っかけてきて逆に引きずり降ろされタコ殴りに合う事も・・・

そして奪った車で何をしても基本はOK。
他車に激突しようが、歩行者の列に飛び込みひき殺そうが、駐車場の屋上からジャッキーチェンばりの車ごとスーパージャンプをしようが・・・


PS2の時は歩行者は人形っぽく、誤って人を引いたところで、
子供の頃プラモデルを爆竹で爆破したり、リカちゃん人形の首を引っこ抜いたりする感覚とあまり変わらず、さほど(あくまでさほど)は罪悪感が発生しません。

所詮ゲームであることをどこかで意識しています。


ですがPS3の4・・・
高度な物理演算と高解像度のグラフィックで現実感アリアリです。
間違って人をひいた日にはリアル過ぎて怖いです。
ゲームとは知りつつ、交通ルールに気をつけて走っている自分がいます。
自分が車にひかれた日には、痛い痛い・・・ニコ(主人公)の痛みが画面を通して伝わってきます。



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4になって昔の無茶ぶりが少なくなったと言う人もいますが、
いや、このリアルさで過激にはしなかったのは必然かも・・・
だから楽しくなくなったという訳ではなく、リアルさが増した分に与えるインパクトが変化したと言えるでしょう。
前作で人10人轢き殺すのと、今作で1人引いてしまったのとでは受けるインパクトが同じレベルです。(個人的に)

ゲーム性が技術の進化で変化する、という事を初めて理解しました。


<すばらしき風景>
またスペックの進化で一番恩恵をうけているのが、街並みの造形でしょう。
もしかしたら造形の細かさでいうともっとすごいゲームがあるかもしれません。
ですが、とにかく見せ方が秀逸です。


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時間帯による各場所の見え方は千差万別、
その時その場所でしか見えない場面に常にめぐり合うでしょう。
この手の箱庭ゲームは作り込みと風景が命です。
そういった意味では街まるごと(今回はNYをモチーフ)にしたリバティーシティは、走りまわって、時折立ち止まって思わず数分見惚れてしまう事頻繁に起きます。
ドライブゲームとしてこれは非常に重要ですね。


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夕暮れの海辺で


<キャラクター>
そして4が今までのシリーズと異なる点は他にもあります。
登場キャラクターが全員濃く特徴があります。
以前のシリーズはゲームそのものが過激すぎた為にストーリはやや付随してた感がありましたが今回違います。
特にお気に入りは主人公のニコです。


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愛嬌のあるニコ


東欧セルビアからアメリカンドリームを夢見て渡米した元軍人ですが、
これがとぼけていて愛嬌あっていい味だしてます!
ともすればギャングものでシリアスになりがちなところを、ニコのマイペースな感じが上手く緊迫感を相殺しています。
(特に従兄弟のローマンとの掛け合いが味出してます)


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右側がアホ(?)のローマンさんです


どうでもいいですがニコの喋り方は、私の仕事上で付き合いのあるイスラエル人にそっくり!です。
イスラエルも東欧から移民する人が多いようで、初めてプレイした時はそいつが喋ってるかと思いました。
自分が世界の中心だと信じているアメリカ人(おっと失礼)と比べ、その他の国の人は親しみがわきますね。
ニコがしゃべっているだけでホッとします。(ですが恐怖の殺人者なんですけどね)


<残念なところ>
舞台となる架空NYのリバティーシティーの作り込みが半端でないと話しましたが、
TVで見れる番組や、web上の膨大なページ等の作り込みも凝りに凝ってます。
アメリカを風刺したものが多く、惜しむらくは日本人である私たちにはその面白さが半分もわからない所です。


また会話がアメリカンジョークやスラングなど盛り込まれており、これまた日本人には初見ではほぼ意味わかりません。
これが海外で大絶賛にもかかわらず、日本でそこまでの評価が得られない理由かと。

同じような事を東京で流行りものを取り入れた日本人が活躍するような物を想像すれば、ガイジンがプレイする際の難しさを想像できるかと思います。
(それは龍が如くになるのでしょうか?プレイした事は無いですが)
文化や風刺の違いはやはりその国の人でないと理解が難しいので、そこが残念ですね。

ちなみに海外におります都合やむを得ず英語版でのプレイになっております。
(無謀・・・?)


また、このゲームは頻繁に銃で人を撃つ事が発生しますが、
いわゆる他のFTPに比べ操作感がアバウトで思うとおり動きません。
やられる時もどちらかというと操作が思い通りゆかず意図せず死亡、、、というケースがほとんどです。
そもそも銃撃は車のおまけといえばそうですが、ここを充実させればもっと完成度が上がったかと思うと残念です。


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<とはいえ>

多少詰めが甘い所もありますが、純粋に街を走っているだけでも十分楽しいです。

日本式の至れり尽くせり式ゲームではなく、小学生に戻ったつもりでいろんな遊び方を自分で考えられるのであれば、このゲームは絶好のパートナーとなるでしょう。

ニコさん、ぜひ次回作も出て来てね。


【個人的評価: 9点】