今回の記事は中央大学附属横浜中学校の平成26年の問題からになります。

 

榎本博明さんの「<ほんとうの自分>のつくり方ー自己物語の心理学」からです。

 

 

榎本さんの作品は「頻出」ですね。

 

青山学院横浜英和中学校の求める生徒像を考えてみた

 

豊島岡女子学園中学校の入試問題からみた理想の保護者像

 

この二つの記事でも榎本さんの作品について触れています。

 

「受験対策」としての読書を考えているなら読んでおくとよいでしょう。

 

読解力の伸ばし方

 

いろいろな方法があるとは思いますので「一例」として挙げておきます。

 

簡単に言ってしまえば「他人が薦めてきた本」をじっくり読むことで読解力は上がっていくと思います。

 

読解力のために「読書」をするように言う人は多いですが、基本的に「面白い作品」では読解力はつかないと思います。

 

「どんどん読めてしまう文章」っていうのは、ある意味「読解力」を使っていないんですよね。

 

言い換えれば「抵抗」がないわけで、その意味での「思考」もないわけです。

 

つまり、考えることもなく読み進めることができるわけです。

 

これは悪いことではありません。

 

どちらかと言えば「読書の醍醐味」なんですよね。

 

とはいえ、これだと読解力はつきません。

 

個人的な定義になりますが、読解力とは「思考」を伴うべきものだと考えています。

 

つまり、読むことが「負荷」になることで「読解力」が向上するんだと思うのです。

 

英語にしても、修飾被修飾の関係や動詞の目的語がすぐに分かるような文章では「英語力」は付かないと思います。

 

この意味での「英語力」とは、単語を並べていけば分かるような単純な文章ではなく、文法的に入り組んだ内容を思考を伴って読む力です。

 

「英語力」にしても「読解力」にしても「思考」が重点になるはずです。

 

簡単に言えばアメリカ人にしても学力はさまざまだと思います。

 

とはいえ、基本的に英語を話します。

 

つまり、思考力などを伴わない英語もあるわけです。

 

結局、日本語の「読解力」も同じなわけです。

 

「思考」を伴うような読書っていうのは、基本的に「興味もない話」を理解できるように読むことです。

 

言い換えれば、何を言っているのか分からないような話ですから考えないといけません。

 

その時の「思考」が読解力になると考えています。

 

繰り返すと、あまり考えなくても読めるような文章では「読解力」は付かないんです。

 

その意味で「他人が薦めてきた本」がいいわけです。

 

こう書いてしまうと榎本さんの本が面白くないようにも取れてしまいますが、内容的には非常に面白いです。

 

ただ、あえてこのような本を読むのかって意味で言えば「面白くない本」ってなるんだと思います。

 

是非「夏休み」に読んでみてください。

 

入試問題

 

入試問題の話に移ります。

 

この学校でも「自分とは何か」を考えるような文章を出しています。

 

結局のところ、あるレベル以上の学校の求める生徒像って「自立」ができている子どもなのかなって思います。

 

ここでいう自立っていうのは「他人」ではない「自分」を分かっているということになります。

 

「自他の区別」ができている子どもってなりますよね。

 

確かに子どもなんで保護者などに「依存」しているのは当然でしょう。

 

とはいえ、やはり「他人ではない自分」を理解していないと「赤ちゃん」なのかもしれません。

 

学校側も「鍛える」って意味では「赤ちゃん」では困るわけです。

 

その意味で「自立した子ども」に入学して欲しいんだと思います。

 

出題範囲では「自己紹介」についてがテーマになっています。

 

是非、読んでいただきたく思います。

 

最後に

 

それほど多く見てきたわけではありませんが、「自分ってなんだ?」のような文章ばかりが出題されています。

 

ただただ問題集を解いたり塾の授業に出席するのではなく、もう少し幅広く入試を考えてほしいと思っています。

 

確かに一問一問は大切です。

 

とはいえ俯瞰することでその一問の意味が明確になることも考えられます。

 

塾などの「煽り」からのプレッシャーにいい面もありますが、受験を楽しむ方法もあるわけです。

 

疲れてきたらちょっと視点を変えてみるのって大事なことですよ。