自身の失言で、急遽、辞任という墓穴を掘った静岡県知事の川勝氏。
辞表提出の直前、記者団に、細川ガラシャの辞世の句を「披露」したことで、細川家の子孫である政治ジャーナリストの細川隆三氏が激怒したとの事。
ガラシャは、関ヶ原の戦いの直前に、敵に囚われる可能性を察し、自害を選択しました。
その時に読んだ句が、「散りぬべき時、知りてこそ、世の中の、花も花なれ、人も人なれ」となります。
ガラシャが詠んだタイミングや環境は、川勝氏のそれとは全く異なる状況ゆえに、細川隆三氏は、あまりにも軽々しい引用に、一言言わざるを得なかったと察します。
川勝氏が、波乱万丈の末に、無念にも命を落とす状況にあるのであればともかく、失言で身を引かざるを得なかった状況に、この句を引用するとは、川勝氏の「知性」が如何にいい加減かを自ら露呈してしまったことにもなります。
引き際の美学を持って、自身の事例を表現したい気持ちは、少しは理解できます。
しかし、今回の川勝氏のケースは、こうした美学を表現すればするほど、偽であることを表すことになることが想像できなかったことになります。
失言で現役を去るという残念な終わり方を、正面から見据え、身から出た錆を認めることで、この年齢になるも、考えを変えていくきっかけとしたい。
例えばこのように述べることで、むしろ、ピンチはチャンスになり得たのではないか。
真実と見栄との違いが分からず混在させてしまった川勝氏。
他山の石としたいものです。