諸行無常。
おなじみの仏教の骨格を示す言葉です。
今世界を見ていますと、各国で分断が起きているように感じます。
欧州はEUの議会選挙で、極右やそれに近い会派が躍進し、現政権の立場を脅かしています。
米国では、トランプ氏の登場で、既に国民の分断は現実のものとなっています。
人も動物ですから、自分に対して脅威となる存在が目立ちますと、どうしても不安が強くなってきます。
これは本能的な行動によるものです。
逆に、そうした状態でも不安や恐怖心が強くならないと、動物の世界では、簡単に命を落とすことになります。
ですから、不安や恐怖心を感じるのは、センサーが正常に動いていることの証になります。
政治の事例で、仮に極右政党の人気により現政権が政権の場から降りることになったとします。
しかし次は必ず、その政党の問題が表面化し、新たな政党ないし前政権が、その座につくことは可能性としては十分にあり得る話です。
つまり、自分の権力の座が奪われることで不安や焦燥感に惑わされたとしても、どこかで状況が変わり、その気持ちは過去のものになっていることに気がつきます。
視点を高く見ますと、人の世は、今の状態が永遠に続くことはないという真理に気がつくわけです。
そうは頭で分かったとしても、感情はそのように割り切れないところはあります。
とはいえ、時間が経ってみると、状況はそのように移り変わっていることを感じます。
実際はもっと複雑な様相でしょうが、基本はそのように流れていることを実感します。
物事は常に移り変わる。
状況の転換期には、こうしたことへ客観視できる見方を備えておきたいものです。