新任状奉呈式で露呈したプーチンの弱点 | 大放言・毒を吐くブログ アメーバ版

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※赤っ恥?

ウクライナ侵略を続けるロシアだが、ウクライナを支援する国々全てがロシアと国交を断絶した訳ではない。こういう状況下でもロシアに新任の大使を送る国と言うのはあるもので、ロシアではその新任大使の信任状奉呈式が行われた。そこではプーチン自らスピーチを行ったのだが、居合わせた大使は無反応。これには流石のプーチンも動揺を隠せなかった模様だ。少しは世界での自分の立ち位置と言うものを理解したのだろうか?


※明らかに喧嘩を売っている。

この式典にはアメリカの大使も参加していたのだが、そのアメリカ大使を目の前にしてプーチンは

「2014年のウクライナでのクーデターをアメリカが支援したから現在のウクライナ危機になっている」

発言した。どう見ても喧嘩を売っているとしか思えない。この時のアメリカ大使の心中如何ばかりか?確かに2014年にウクライナで起きたクーデターにアメリカが関与していたのは事実の様だ。言い方は悪いがウクライナは当時から米露の政争の最前線であったと言える。とは言え、その後行われた大統領選で当選したゼレンスキー大統領は当時の現職を破っての勝利だった。しかも彼の前歴は御存知の通りコメディアン。政治家として何か実績を上げて大統領選に臨んだ訳ではない。彼は歴史教師がひょんな事から大統領になり、政界と対決する政治風刺ドラマに主演していたのだが、「ゼレンスキー大統領誕生」ははそのドラマが現実化したに等しく、そんな彼を大統領に選んだのは他ならぬウクライナ国民の総意である。ウクライナで2014年に起きたクーデター、及びその後のウクライナ政局がプーチンにとって都合が悪かったのは確かだろうが、この時プーチンはクリミア半島をウクライナから強奪している。プーチンが「ウクライナには反米親露でいて欲しい」と思ったり、通常の外交の範疇でそう働き掛けるのは自由だが、プーチン自身がクリミア半島強奪等、ウクライナ国民の反発を買う真似をしていた事もまた事実であり、プーチンの対ウクライナ政策が失敗して結局武力行使に頼らざるを得なくなったのはアメリカの動向云々以前に自身の失敗が原因だと言える。それを棚に上げて何を言っているのか?無礼にも程がある。

※コイツ、案外小物だったのか?

プーチンのスピーチが終わっても大使達は無反応だった。これにプーチンは「セレモニーは終了」と言って反応を呼び掛けたとも受け取れる対応をしたのだが、それでも無反応だった。そもそも外交儀礼上、このタイミングで拍手する必要はないらしく、そういう意味では大使達が無反応だった事は無礼でも何でもない。またプーチンとしてもそれは理解の範疇なのだろうが、実際には過去の奉呈式でプーチンのスピーチ後に拍手起きていた例もあり、プーチンとしては「そっちが当たり前」だと受け止めていた可能性がある。「自分のスピーチ後に拍手が起こるのが当然」と思っていたからこそ「セレモニーは終了した」とわざわざ言ったのだろう。別段プーチンとしては大使達の拍手が欲しかった訳でも、また拍手に送られて退場したかった訳でもなかったのだろうが、大使達の無反応がプーチンにとって予想外だった事は間違いなさそうだ。だから動揺を隠せなかったのだと言える。

※流石に顔に出てしまった…

そしてその姿は全世界で誰もがその様子を確認する事が出来る。プーチンは全世界に恥を晒したに等しい。ここから察するにプーチンは非常に計算高いが、実は計算外の出来事に臨機応変に対応するのは案外不得手なのではないのだろうか?ウクライナ侵略も事前に電撃戦でキーウを陥落させる腹積もりだった様だが、ウクライナの頑強な抵抗によって大きく計算を狂わされ、計画はほぼ100%、と言っても良いレベルで外れた。そこから計画を立て直す事も出来ずに泥沼化した戦局を打開する事さえ出来ていない。プーチンの弱点はこういう所にあるのではないだろうか?

※笑。

大使達の反応はロシア、と言うかプーチンがどう世界で思われているかを如実に示したものだと言える。プーチンが幾ら正義を掲げてもその正義を認める国は数える程しかない。世界の総意は明白な形でプーチンに「NO」を突き付けている。幾ら何でもこれでプーチンも否応なしにそれを痛感したであろう。で、あればこの奉呈式に出席した大使達の対応はファインプレーである。出席した大使全てが事前に示し合わせてそうしたのではあるまい。恐らく自然な反応だと考えられる。仮にそういう示し合わせがあったとしても反発する国はなかったのだから、この対応で「プーチンにNO」と言う意思表示と言う本質は変わらない。

言い換えれば「力による現状変更反対」と言う概念が世界中に浸透している、と言う裏返しでもある。プーチンがここで世界の総意を痛感して引き下がるのであればそれに越した事はないのだが、プーチンの様な手合いがこれで心を折られて大人しくなるとは思えない。とは言え、プーチンが計算外の出来事に臨機応変に対応するのが苦手なら、案外簡単に足元を掬われる可能性もある。それが事態収拾のヒントになれば良いのだが…