【雑談】準惑星ケレスに生命体は存在し得るか? | 大放言・毒を吐くブログ アメーバ版

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※ケレスの全体像。

火星と木星の間には「小惑星帯」と呼ばれる多数の小惑星が軌道を共有する一帯がある。そこで最大の天体は「ケレス」と言う名前が付いており、その中では最大かつ最初に発見された天体である。この地帯にある天体では「ケレスのみ」小惑星ではなく「準惑星」に分類されており、数ある小惑星の中でも特別扱いされている。

当然様々な探査、研究が行われているのだが、ケレスのクレーターから「塩」と共に「有機物」が発見されたと言う。ケレス内部にも「内部海」の存在が取り沙汰されるが、それが事実ならケレスにも「生命体存在の可能性」が出てくる事になる。


※クレーター内部の物質の存在は以前から判明していた。

「ケレス」は小惑星最大の大きさを誇り、直径960km、このクラスの天体では自分の重力で球体となる。従って「惑星」の要件を満たす部分もあるのだが、小惑星帯にある事が災いして「惑星」にはならなかった。小惑星帯では最大の天体でもケレス単独では小惑星帯の天体全ての質量の1/3程でしかなく、「周囲の天体を排除している」とは言えなかったからである。だがその大きさと「最初に発見された小惑星」と言う点で「準惑星」とされたのだ。因みに発見されたのは1801年1月1日。なんと19世紀最初の日であった。

※ケレスのクレーター内部の様子。

今回の発見は「ウルヴァラ・クレーター」と呼ばれるケレスでも3番目に大きな直径170km程のクレーター内部で「塩」と「有機物」が「同時に発見された」と言うものだ。それらの起源は明らかにはなっていないが、クレーター自体は約2億5千万年前に隕石の衝突で出来たもの、と考えられている。

こちらの記事でも少し触れたが、生命体の材料となる有機物や塩基が隕石から発見されている。隕石が衝突する、と言うのは地球に限った話ではないし、また有機物や塩基が含まれた隕石が「地球にだけ落ちた」なんて事は流石にないだろうから、ケレスにもそういう物があっても不思議はない。また、ケレスには内部海の存在が取り沙汰されており、氷火山の存在や実際に水蒸気が検出されていると言う。「塩」がケレス内部からの物であるなら、ケレスに内部海が本当にあるなら「塩が含まれている」可能性はあり、それは地球の海に近いものと言える。従って後はケレスの核にそれなりの熱源さえあれば地球の深海の熱水噴出孔に近い環境がある可能性も浮上し、それなら何らかの生命体が存在していても不思議はない。

※こういう光景がケレスでも見られるか?

が、単にそれだけで生命体が存在出来る、と言うのは早計で、例えば似た環境が指摘される木星の衛星エウロパでは木星からの潮汐力が熱源となってエウロパ内部に「液体の水」が存在出来るとされている。これに対してケレスは衛星ではないのでそこまでの潮汐力を及ぼす天体が周囲に存在しない。従ってケレス自体に何らかの熱源がなくては「芯まで氷漬け」なんて事もあり得る訳で、その構造が解析されない事には「液体の水」が存在し得るかどうかは断定出来まい。その意味ではエウロパより期待出来ないかも知れない。

とは言え、「生命体の存在」に繋がる発見である事には変わりなく、研究を進める価値は高いと言えるだろう。また小惑星はある意味「太陽系誕生時の事を教えてくれる生きた化石」の様な側面もあるだけに、研究して知見を深める意味は大きい。今後の研究成果や探査機によるサンプル回収などの計画に期待したい所である。