日本生命保険が介護事業最大手ニチイ学館の買収を決めた。
需要が拡大する介護業界は、規模が小さい事業者も多く、人手
不足や経営難といった課題が山積みしている。生保大手のノウ
ハウをどこまで生かせるかが注目される。
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厚生労働省によると、介護が必要な高齢者は今年８月末時点で
約７００万人おり、２０２５年度の介護費用は約１１兆円に上
がった。高齢化の進行によって、需要はますます増える見込み
で、人手不足が深刻になっている。政府は、介護報酬の改定に
向けた議論を進めているが他業界の賃金上昇に追いつかない。
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介護業界は、中小・零細事業者が多い。介護報酬のサービス料
金は固定で、光熱費などの物価上昇のコスト増をサービス料金
に転嫁できず、経営の重しになっている。２０２２年の「老人
福祉・介護事業」の倒産は前年の１．７倍にあたる１４３件で
２０００年以降最多となった。
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市場シェアの上位には、ニチイ学館のほか、教育事業大手のベ
ネッセＨＲや学研ＨＲといった異業種の参入も多い。保険業界
では損保ＨＤが２０１５年に介護事業に参入した。グループ損
保ケア２０２３年３月期の売上高は、約１５００億円と業界２
位だった。日本生命は、生保事業で培った高齢者や健康に関す
る知見を生かせるとみられ今後の期待から目がはなせない。
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