今月末にアパートを退去するお客さんから電話があった。
「○○アパート２０３号のＴです、お世話になります。聞くん
ですが２０３号室のカギのスペアはそこにありますか」
「おそらくあると思いますが、どうかされたんですか」
「実は新しいアパートの部屋に、カギを置いてきたんです」
「それは困りましたね。ちよっと確認をしてみます」
・
○○アパートの頭文字のＳは、おそらく一番数が多く３段に分
けられてプラスチックボックスに入っていた。結局最後の３つ
目の入れ物の一番奥から２０３号室のカギが出てきた。
「Ｔさん、２０３号室の控えのカギがありました」
「今から取りに行きますので、貸して下さい」
・
ホワイトボードには、「鍵解錠・２２００円」と書いてある。
今まで長くお世話になったＴさんなので、「鍵解錠は２２００
円かかります」とは言いにくいな。でもこんな時のために、
カギの全てを当社で管理しているんだから、賃貸担当者に示し
がつかないのでここは言うべきだろう。
・
しばらくすると、Ｔさんがやってきた。
「鍵解錠は２２００円かかります」
「あっ、そうですか。ちょっと待って下さい」
駐車した車に戻り、お金を持ってきた。
「ありがとうございます」
夕がち４時頃、Ｔさんがカギを返しに来た。不動産屋は、小さ
なことがきちんとできないとやっていけないんです。
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