馬場の入口柵を開け、アースを中に入れ柵を締める。
入口柵の開け閉めは、馬の安全を確保しておこなわないと馬が
ケガをするので注意が必要だ。その後、踏台をとって馬場の片
隅に連れて行き、鐙を伸ばして腹帯をもう一度締めなおす。
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腹帯を締めな直すとき、アースはやはりいやがる。でもこれを
やらないと、乗っているとき鞍がずれて危ないのできつめに締
める。右側をおこない次に左側をおこなったと思ったら、右側
の鐙を伸ばすのを忘れていたのに気づいた。
・
もう一度、アースの首下を通ろうとした、この時アースはいや
がって抵抗をした。馬の体重は人間の１０倍はあり、力はそれ
以上もある。私を見るアースの目は三角になり、尻込みをして
逃げようとしていやがる。手綱は手に持っているが、支えきれ
ずにドスンと尻餅をついた。「アース、ごめんごめん」といい
ながらアースに近づき、手綱をつかまえた。
・
あんな嫌がったアースの顔は見たことがなかったので、なぜだ
ろうと考えた。ふと思ったのは、小バエを叩こうと「パチン」
と何度もやったが、あの時は平然としていたが本当は痛かった
のかもしれない。それが私から怒られたと錯覚をしたのかも。
アースはメス馬なので、オス馬にないナイーブな面があるのは
わかっていた。でも今回のアースの件で、もっと繊細にかわい
がるように気をつけようと思った。
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