老眼鏡はちょっとだけ使う時に役立つメガネだ。
若い頃はあんなもん必要ないと思っていたが、加齢とともに必要にな
ってしまった。最近は新聞が老眼鏡がないと読めない。ちょっと離し
気味にして、少しぼけたりするときは目を細めて読めば見られないこ
とはないのだが、そのたびに目を細めていたら疲れてしまう。
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老眼鏡は家に一個、会社に一個、自動車の中に一個合計三個持ってい
てその時々において使い分けていた。いつの間にか自動車の中の老眼
鏡を見かけなくなってしまった。老眼鏡なんてホームセンターにいけ
ば安いもので１０００円程で買えるので、買い替えればいいのだが自
動車の中に入れていた老眼鏡は、格好がよくて容器入れ付きだったの
ですぐに買い替える気にはならなかった。そのうちに、どこかで出て
くるだろうと思っていたが、いつまでだっても出てこなかった。
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会社に植えていたパンジーの一株が枯れかけてきた。お客さんが来る
のに、あれではみっともないないので新しいパンジーを買ってきて植
え替えることにした。プランターのパンジーを植え替えるのに、移植
ごてが必要なので移植ごてを探す。たしか工具箱の中に入れていた
はずだがない。工具箱の回りには、ごちゃごちゃしたものが置いてい
てそこを探す気にはならなかったが必要に迫られて、１つ１つ引っぱ
り出す。買い物袋があったのでそれを取り出すと、取り替え用のパッ
キン類が入っていて、ピンク色の容器らしきものも入っている。
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ハッと思い出した。半年近く探していたお気に入りの老眼鏡だった。
パッキンを取り替えるとき老眼鏡がないとよく見えないので、その時
老眼鏡を使ってそのまま入れてしまったのだった。その後、移植後手
はカタログ入れボックスから出てきたが、移植後手よりも老眼鏡が出
てきたことの方がうれしかった。
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