その山下泰祐さんが井上康生さんと一緒に先日、イスラエルとパレス
チナの交流を目指してエルサレムで合同柔道教室を開き、双方の子供
たち約５０人を集めて、「柔の道」の大切さを伝えました。
山下さんはロサンゼルス五輪無差別決勝で、山下さんの負傷した右足を
攻めずに敗れたエジプトの強豪ラシュワン選手のエピソードを紹介しま
した。「柔道だけでなく、心も強い、優しい人になってください」と
語りかけたといいます。双方の大人達は敵対する間柄で、戦争状態に
あるわけですが、子供達の柔道の世界は別なんですね。
今までにイスラエルとパレスチナの子供が交流する場はほとんどなかっ
たそうですね。山下さんは今回の合同柔道教室を通じて「両者を結び
つける第一歩になったと思う」と語りました。
英国留学中の井上康生さんは、足技などのかけ方などを英語で伝授した
といいます。時代が違うふたりの金メダリストから、柔道を教わるなん
て子供達にとっては夢物語になったことでしょう。そしてラシュワン
選手の正々堂々とした相手を気遣う戦いぶりは、子供達にとって今後の
お互いの国のあり方の参考になれたに違いありません。
山下さんは今年の１２月に福岡で開かれる国際中学生柔道大会に、イス
ラエルとパレスチナの子供を招くといいます。
この子共達がたくさんの柔道を通じて大人になる頃には、きっと平和な
国になっていることを期待しています。
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