【そろそろ1か月余り】
今年の新入社員は、コロナの影響で例年よりも人数が少ない上に、入社の状況もこれまでとはすっかり様変わりです。
例えば入社式もそれに続く新入社員研修もZOOM利用、また一時よりは減ったとはいえ、在宅勤務が当たり前のように行われていたりします。
こうした状況でも、学校を卒業して社会に向けての第一歩を踏み出し、胸を弾ませて、職場に入ってくることには、変わりありません。
そしてそろそろ仕事に就いて、1か月余り。
「5月病」という言葉が示すように、現実に少し幻滅している頃かもしれませんね。
【新社会人が期待するものは?】
ここ数年、新社会人に「何を職場に求めますか?」とアンケートをすると、ダントツに多い答えが、「人間関係が良好であること」となっています。
ある調査では、
1位 「良好な人間関係」 61%
2位 「希望する職種・勤務地」 21%
3位 「昇給・昇格」 8%
以下「残業が多すぎない」「充実した教育体制」などが続きますが、これを見るとわかるように、大事に思うのは、「やりがい」よりも、「お金」よりも、ぶっちぎりで「人間関係」です!
現代は人類史上、類を見ないほど激しく変化していますから、社会の価値観も、10年単位で大きく変わっています。今の20代はヨコの関係を大事にするので、上の世代以上に人間関係を重視するのは、ある意味当然かもしれません。
【何より難しいのが人間関係】
しかし、何より難しいのも人間関係。
学生時代、バイトであんまり好きではない人と、一緒に働いた経験はあるかもしれませんが、それは生活時間のホンの一部でした。基本的に、好きな人と、好きな時間一緒に過ごすことができましたし、授業だって、自分が「勉強したい。」と思った科目を受ければ良かったわけです。
しかし今や、そうもいきません。
社会人になると、1日のほとんどの時間、仕事をして過ごさなくてはなりませんし、配属された部署の上司や先輩が、自分の好きなタイプで、尊敬できる人とは限らないのです。
もちろん、みんなで和気あいあい。自由に批判し合うことなく、意見を出し合って、斬新なアイデアが飛び交い、面白いほど仕事が進んでいく。
マンツーマンで教えてくれる先輩は、仕事の知識や経験が豊富で、指導もわかりやすい。
上司の指示は適切で、失敗した時には進んで責任をとってくれるだけの、度量の広さがある。
こんな職場であれば、理想的ですし、全く存在しない訳ではありませんが、どんなに人気のある会社であろうとも、全ての部署がこうではありません。「企業は人なり」と言いますが、組織の中も同じで、上司の数だけ、課や係の雰囲気は違います。
【余りに期待し過ぎると・・・】
「仕事の内容も、昇給も、自分の努力で何とかする。けれど、組織の人間関係だけは、自分の力の及ばないところなので、そこは良い環境で合って欲しい。」
こんな覚悟を前提とした希望であれば良いのですが、余りに「人間関係」の良さに価値を置き過ぎてしまうと、すぐに失望して、次の職場を探したくなってしまいます。
もちろん、昔と違って、一生同じ職場にいよう、と思う人は少ないでしょう。また例え願っても、今の時代はなかなかそうもいきません。
しかし基本的に職場と言うのは成果を出して、報酬を頂くところですし、そこに集まっている人は育った環境も考え方も年齢さえも、千差万別です。組織の側は、採用の時になるべく社風に合う人を採用しているはずですが、見込みと違うことも、しばしば。
前向きな人もいれば、何かにつけて、不満な点を探し出そうとしているとしか、思えない人もいます。
そんな沢山の個性を何とか束ねて、同じ方向に向かって進もうとしているところが、職場なのです。
なおかつ、大抵の職場は人員ギリギリでやっていますから、仕事がまだ良くわかっていなかったり、学生気分が抜けていなかったりする若手は、教える方にとっては、ひたすら負担でしかない、というのが実態です。
【まずは出来ることから】
そんな気持ちを何とか押しやって、「自分も昔は、何もわからなかったんだから。」と自らに言い聞かせながら教えてくれているのが、先輩、ということになります。
相手の立場に立って、そう考えると、「職場が自分の理想と少し違っても、仕方ない💦」と思えるのではないでしょうか?
だから仕事の経験が浅いうちは、せめて敬語をちゃんと使えるようにする、パソコンの使い方を身につける、など、できることから始めてみましょう。
それでも「何だか居場所がないなぁ・・」と思うのであれば、同期と相談してみる、社外の先輩に聞いてもらう、あるいは気難しい先輩や上司の性格、対処方法を占ってみる、などを試してみることを、オススメします。
「あんまり感心しない先輩だな。」と思っても、そこは、まずは反面教師で。
今は新入社員のあなたも来年の今頃は、先輩ですし、働いていると、あっという間に年月が経ってしまうものです。
「ステキな先輩!」と思われるように心がければ、必ずそうなれます。
ただし、どう考えてもブラックな職場だったら?
もちろん、次を考えることです。
ただし、人には動いてはいけない時期、というものがあります。
そこは気をつけましょう。