ボツリヌス菌について | 千殊むすび院長日記

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東京・大塚にある『千殊むすび鍼灸院』院長の宮本啓佑です。
健康のことだけでなく、日々起こった面白いこと、趣味の山登りや社寺巡りのことなども書いていければなあ、と思います。

以前悲しい話題になった「乳児ボツリヌス症」。

「あかちゃんに蜂蜜を与えるなんて(非常識な)」って意見が大半でじっくり調べてみましたところ、けっこう出てきました、知られてないこと。

まず、乳児ボツリヌス症はボツリヌス菌芽胞を含む食品を摂取することで腸管内で菌が発芽増殖して発症するのですが、問題はその食品。

蜂蜜は皆さんご存知の通りですが、コーンシロップ・自家製野菜ジュース・黒砂糖・井戸水などにも含まれています。

自然な育児を心がけていたがために、精製されたものは不自然で体に悪いと避け、自家製の野菜ジュースに黒砂糖で甘みを加えている、なんて話、けっこうあると思うな。

ボツリヌス菌は土壌にいるのです。

市販のジュースは加熱してありますが、自家製なら生でしょうね。

菌の不活化には100℃10分とか80℃30分とか。

でも芽胞を死滅させるには120℃4分とか、家庭では難しい。

レトルトパウチ食品なら大丈夫ですが、レトルトもどきは危ないそうです。

農薬や添加物が悪いといっても長期的であって、実は食中毒のほうがよっぽど怖いのです。

毒性の強さは驚くなかれ、青酸カリで1gで5人分の致死量ですが、ボツリヌス菌は1gで100万人分。兵器になるほど恐ろしいのです。

潜伏期間は3~30日。ばらつきます。

症状は、便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、哺乳力の低下、泣き声が小さくなるなど、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴。

そんな恐ろしいボツリヌス毒素を弱毒化して使うのがボトックス注射。

すごいですね。