ママ同士の会話から | 千殊むすび院長日記

千殊むすび院長日記

東京・大塚にある『千殊むすび鍼灸院』院長の宮本啓佑です。
健康のことだけでなく、日々起こった面白いこと、趣味の山登りや社寺巡りのことなども書いていければなあ、と思います。

先日、三女を保育園に送ったあとで、園の


玄関で聞こえてきた、ママ同士の会話。


ママA「みて~、この子ったら、こんなところにブツブツ


できちゃってるよー」


ママB「あ~、○○(病名)じゃなーい!?ウチもそれ、


こないだやったー。△△(薬品名)塗ったら一発だよ。


余ってるからあげるねー。」




これね、とっても危険な会話ですよ。


よく耳にしちゃうんですけど。


いっぱいポイントあるんですが、いくつかは挙げて


おきます。


まず、病名は医師以外が診断することは許されていません。


病院行って「この子風邪だから薬ちょうだい」的なことを


言った日にゃあ、むかしの医者なら「誰が風邪って決めた~」


なんて、激怒されたもんです。


(風邪も病名ですし、勝手に診断するなってことですね)


(今は経営上の理由からか、あきらめからか、


怒る先生少ないですね 笑)


病名を勝手に決め付けることは「違法」なんです。


その辺、わたしたち医師以外の医療者は、とっても気を


つけています。(だから多くを語れないの。)


そして、特に皮膚科の疾患って、専門医じゃないと、


なかなか鑑別しにくいんです。


ここで、ママBが言った薬品って、強いステロイド剤でした。


それぐらいはご存知だったかもしれませんが、


その薬でよくなるのかどうかは、わかりませんね。


診断が違えば薬ももちろん違いますし、誤った使用では


悪化しかねません。


そして責任も取れない。


最悪、傷害ですわ。


さらに、薬にも消費期限みたいなのがありますから、


古くなってて、変質しちゃったようなの塗っちゃあ、


いけませんよね。


そんなわけで、善意であるなら、なおさら無用な


親切心は起こさず、即座に病院への受診を


勧めましょう。


民間療法なんかへのチャレンジは、診断がでてからでも


遅くはないと思いますよ。


(よく相談されるんですよ)


医薬品を用いず、民間療法で治そうとする場合、


自己責任なのはもちろん、そうとうの勉強と経験が必要


なのは言うまでもありません。


けっして、「この療法を使うのが、こどもが初めて」なんて


ことがありませんように、せめてご自分には試してからに


しないとね。