今年も京顔見世興行の幕を開けて頂き、
大変な最中にも関わらず、
沢山のお客様に、ご協力を頂いてのご観劇、
本当に、本当に、皆々様に、
心より深く御礼を申し上げます。
ありがとうございました
私自身、毎日毎日、何度も何度も体温を計りながら、体調管理をして、必要以外の行動は控えて過ごしました。
コロナ禍のこの数ヶ月…
本当に辛かったし、苦しかった。
これからも、まだまだ辛い日々が続きます。
だからこそ、お客様の前に立たせて頂ける嬉しさと感謝、そして、責任をかみしめ、
絶対に千穐楽まで完走したい!
頂いた大切なお役を、全うしたい!
その一心で、毎日過ごしました。
とにかく無事で良かった!
そして、何と申しましても、
毎日本当にお客様が温かくて
私にまで沢山の拍手を頂き、エネルギーと勇気を頂きましたお陰を持ちまして、
無事に完走出来たと思います
お声がけによるご声援が禁止されている中、
沢山の拍手を頂けることは、本当にパワーになりました。
本当にありがとうございました
『廓文章』「吉田屋」というお芝居。
今回は伊左衛門を幸四郎さんが勤められ、
清元を用いる、江戸の演出での上演でしたが、
やはり、上方歌舞伎の代表作!
上方の匂いを大切に勤めたい!と挑みました。
秀太郎師匠の当たり役でもある「おきさ」という大役に、顔見世興行で抜擢された、千壽さん
これは本当にすごいことです!
そして、
期待に答える、上方のはんなりとした女将さんの風情、同期として、誇らしく思いました
そして私も、上方の尊敬する先輩方が勤められていたのをずっとみてきた、吉田屋の若い者のお役を仰せつかり、とても嬉しゅうございました。
ですが、見るとやるとは大違いで、やはり、先輩方には到底及びません。
上方の「味」って、巧んで出せるものではない。
やっぱり経験値と、こだわりやと思います。
今回、若い者一人バージョン、
(成駒家さんと松嶋屋の演出、ミックスな感じで)をさせて頂き、とても良い経験になりました!
一番思ったことは、やはりお芝居は、
相手がいて、相手の息を感じながら、キャッチボールをする。
当たり前のようですが、やはり、長期休業のブランクか、緊張か、自分の事に精一杯で
照明ってこんなに眩しかったっけー?暑かったっけー?なんてことも、とまどいで
お相手が目の前にいて、お芝居できる!
ステイホームでは出来ないこと!
これだけでも、嬉しく、そして、いつもにも増した、緊張でした
ですが、段取りに慣れてからは、もうもう、無心で、
その場に「生きよう!」と、心掛けました
これが、これからの自分の課題かもしれません。
出るまでは計算しまくるけど、
出てしまったら、無心で、その場に生きよう
なかなか難しいですが…。
もっともっとやりたかったなぁ。
けど、また次の機会に!
もっと自然に出ていけるように!
精進していこうと思います
こんな景色も、本当に懐かしくて…
師匠我當が、喜左衛門のお役を度々勤めておりましたので、ここで出番を待つ師匠の後ろで、おか持ち持って控えていた。
若い者役の、寿治郎さんがいらして、師匠と冗談いうて、大笑いしてたり…
お大尽、太鼓持、仲居さんたちで賑やかで!
そして、幕が開き…、
師匠がお出になり、
伊左衛門の、山城屋さんが、引っ込んでこられる。
その時の何とも言えない風情…
忘れられません。
そして、師匠も引っ込んでこられ、お二人でにこやかに、言葉を交わされている様子、
一つ一つが、とても懐かしく思い出される舞台裏です。
そこに、今回は、私と千壽さん二人だけ。
このご時世…
そして、時代は移り変わってる…
しっかり頑張らねば
と、固く誓い合っておりました
素敵な、お声柔らかい表現。
そして、やはり、役者さんやなぁ~
ステキでした!