遺言書くのは何のため? | シニアライフの「常識」を斬る!?

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 私が昨今の遺言ブームに疑問を感じるのは、書くこと(書かせること)自体がゴールになっているように思えるからです。

 

 遺言産業の人たちはそれでいいんでしょうけど、書く側の立場として、それでいいのでしょうか?

 

 「死後に相続でモメないように遺言を書いておこう」という動機自体は否定しません。

 

 では、遺言を書いておきさえすれば、相続をめぐる争いはなくなるのでしょうか?

 

 確かに、表面的に「争族」を防止することは、それほど難しくはありません。

 

 ①相続人と財産をキチンと確定し、

 ②法的な遺言の要件を満たして、

 ③遺留分を侵害しないようにして、

 ④代償分割の資金を準備して、

 ⑤信頼できる遺言執行者を指名しておく

 

 ときどき①で手を抜く信じられない「専門家」がいたりして、それは論外としても、④については個々のお客様の事情によって、どこまで手を打てるか難しい部分はあります。

 

 ただ、理屈としてはこの5点を押さえれば、法的にモメる余地はほとんどなくなります(逆に押さえられなければ、財産の多寡にかかわらずモメる可能性が高まります)。

 

 しかし、法的にモメないことだけを考えて遺した遺言の中身が、遺族の心情と合致している保証はありません。

 

 法的な面でトラブルを防止することと、心情的に納得できるかどうかはまったく別問題だからです。

 

 だから、遺言では単に遺産分割の割合を指定するだけではなく、なぜそのような結論に至ったのか、その理由を充分に説明すべきと私は考えています。

 

 私はこれを、「遺言に魂を込める」と言ってます。

 

 しかし、そこまで踏み込んでアドバイスをしている「専門家」は非常に少数だと思います。

 

 それに、私はもっと根源的な理由で、遺言ブームに疑問を感じています。

 

 遺言を書く前に、もっと考えるべきことがあるような気がするのです。

 

 

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