映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(4Kリマスター)を観る | 世日クラブじょーほー局

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 ガミラスとの死闘に打ち勝ち、復興を果たした地球は平和と繁栄のさ中にあった。古代進も森雪との結婚を間近に控え、その恩恵に酔いしれていた。しかし、それは束の間の静寂でしかなかった。遠く宇宙のかなたから脅威は迫っていた。沖田艦長の命日に、その銅像の下に集まってきたヤマトの元クルーたち。旧交を温めつつも、古代が傍受した正体不明のメッセージに一抹の不安を覚える。

 

 その時、彼らの上空を地球防衛軍の旗艦となった新造戦艦アンドロメダがかすめて行った。主役を奪われ切歯扼腕するクルーたち。後に謎のメッセージは銀河系のはずれにある惑星テレザートのテレサを名乗る女性からで、宇宙の危機の到来と地球に救いを求める内容だったことが判明する。ともかくも一刻の猶予もならないとして、立ち上がろうとする古代たちに、防衛軍の上層部はにべもなく、ヤマトの廃艦と彼らの出向を命じる。しかし古代は、志を同じくする者たちとともに、反逆罪を覚悟で、ヤマトを発進させた。

 

 テレザート星に到着し、幽閉されていたテレサを解放した古代たち。テレサは白色彗星帝国が地球を狙っていることを告げるも、それを止める方法はわからないという。ヤマトは急ぎ踵を返して地球に向かう。迫り来る彗星帝国に、アンドロメダを旗艦とする地球防衛軍の宇宙艦隊は、拡散波動砲の一斉攻撃で迎え撃つが、逆に鎧袖一触されてしまう。無防備となった地球に帝国の支配者であるズォーダー大帝は、降伏か死かの二者択一を迫った。

 

 そこへワープによって、白色彗星の眼前に現れたヤマト。先に打ち破ったデスラーがもたらした情報により、白色彗星の弱点に渾身の波動砲を撃ちこむと、そこから威容を放つ巨大な都市帝国が出現。最後の力を振り絞り、総攻撃をかけるヤマト。そして古代らの決死の覚悟により都市帝国内部への潜入に成功し、その中心にある動力炉を破壊したが…。都市帝国が崩壊したと思われたその時、ズォーダーの高笑いとともに、彗星帝国の本体である超巨大戦艦がその全貌を現した…。

 

 わずかな乗組員を残して、既に満身創痍のヤマト。もう戦う余力もない。それでもズォーダーに挑もうとする古代。艦長席に掲げてある沖田の肖像に「あなたならどうするか教えてください」と哀願する。果たして、ヤマトは、古代は、いかなる決断をくだすのか…。

 

 沖田が、刀折れ矢尽きた新艦長、古代に語りかける「命があるじゃないか。男には、命の限り戦わなければならない時がある」は、本作の真骨頂といえる。エゴと拝金主義が世の習いという時勢にあって、強烈なカウンターパンチとなろう。さもなくば、家族を、愛する人を守れないのだ。いったい、万物の霊長たる人間とその他の動物の違いは何か?衣食住性の追及に明け暮れるなら、わざわざ人間様に生まれてくる必要などなかったのだ。今こそ、執着と自己満足の呪縛を解き放ち、崇高な人生を生きてみようと踏み出すべきではないのか?

 

 私は忘れない。森雪の最期、佐渡酒造の最期、斉藤始の最期、真田志郎の最期、加藤三郎の最期、好敵手デスラーと古代の邂逅、そしてデスラーの最期、わが心のヤマトの最期を…。

 

<ラストで流れるテロップ>

ヤマトを愛して下さった皆さん…さようなら

もう 二度と 姿を現すことはありません

でも きっと 永遠に生きているでしょう

あなたの胸に 心に 魂のなかに

 

(企画・原案・製作・総指揮)西崎義展

(監督・総設定)松本零士

(原案)松本零士、舛田利雄

(監督)舛田利雄

(キャスト)

古代進(富山敬)・森雪(麻上洋子)・沖田十三(納谷五朗)・島大介(仲村秀生)・真田志郎(青野武)・相原義一(野村信次)・太田健二郎(安原義人)・加藤三郎(神谷明)・南部康雄(林一夫)・徳川彦佐衛門(永井一郎)・佐渡酒造(永井一郎二役)・アナライザー(緒方賢一)・土方艦長(木村幌)・斉藤始(ささきいさお)・指令長官(伊武雅之)・ズォーダー大帝(小林修)・デスラー(伊武雅之二役)・テレサ(上田みゆき)ほか、ナレーター(広川太一郎)

(挿入歌)「ヤマトより愛をこめて」沢田研二