映画「キングスマン ゴールデンサークル」を観る | 世日クラブじょーほー局

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 「キングスマン」―表の顔は英ロンドンの高級テーラー、しかしてその実態は…世界最強の民間スパイ機関!! 所属するエージェントたちはパリッと高級スーツを着こなすなど、その身だしなみは勿論、ディナーのマナーはじめ、立ち居振る舞いに至るまで英国紳士・淑女を体現しているが、一皮めくれば、ギミック満載のガジェットを駆使し“キレッキレ”のアクションで敵をぶちのめす。

 

 前作では、17年前に亡くなった父が、実はキングスマン候補生であり、その死は彼の同僚であるハリー(コリン・ファース)を助けるためだったということを知らされた主人公エグジー(ダロン・エガートン)が一念発起し、ハリーの薫陶を受けながらエージェントを目指すことに。過酷な試験を乗り越え、晴れてキングスマンのエージェントとなったエグジーだったが、自然環境保護を絶対視し、人類の大量抹殺を目論むIT企業家であるヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)を1人で追っていたハリーは彼に射殺されてしまう。

 

 キングスマンの内部にまでヴァレンタインの魔の手が及ぶに至って、エグジーは指導教官のマーリン(マーク・ストロング)とともにヴァレンタインの秘密基地を突き止め、総攻撃を仕掛ける。そして見事ハリーの敵討ちを果たすとともに、世界を危機から救ったのだった。

 

 さて、本作では冒頭、エグジーと同じ候補生だったが、ヴァレンタインとともに死んだはずのチャーリーが襲いかかってくる。しかもその右腕は強力なロボットアームに取り換えられていた。彼は世界的麻薬組織「ゴールデンサークル」の一味だった。そしてこの組織のボスであるポピー(ジュリアン・ムーア)のミサイル攻撃によってキングスマンは壊滅させられてしまう。

 

 ポピーは自らが独占する麻薬密売市場に、死に至るウィルスを混入し、その解毒剤と引き換えにドラッグの合法化を米政府に要求。カンボジアの奥地に潜伏する状態から一気に表舞台に立ちたいという単なる自己顕示欲からだった。違法のドラッグ使用者など自業自得だと思いきや、意外や意外、フツ―の市民や思いがけない人物も手を染めているという事態が判明。刻一刻タイムリミットが迫るなか、生き残ったエグジーとマーリンはキングスマンと同盟組織である米国のステーツマンと手を組み、なぜか復活したハリーとともにゴールデンサークルに最後の戦いを挑む!!

 

 冒頭のアクションシーンは圧巻。ただそれまで。エルトン・ジョンまで担ぎ出して豪華キャスティングを実現するも、脚本の詰めが甘く、ストーリーは手垢にまみれたB級そのもの。英国のキングスマンと米国のステーツマンが共同して悪に立ち向かう設定とは裏腹に、エロとグロが鼻を衝く。前作に続き、もうちょっと真面目に徹すれば、それなりに見栄えがする映画になるけどなと思ってしまうが、どこ吹く風。なおエンディングからして第3弾が規定路線で、今度はチャニング・テイタムとハル・ベリーが活躍するのが容易に想像がつくけれども、ま、目くじら立ててもしょうがない。すべて監督マシュー・ヴォーンの手のひらで転がされてるだけ。それが不快か快感かは、あなた次第です。

 

(出演)

コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、タロン・エガートン、マーク・ストロング、ハル・ベリー、ペドロ・パスカル、エドワード・ホルクロフト、ソフィー・クックソン、エルトン・ジョン、チャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジズ

(監督)マシュー・ヴォーン