コナン・ドイルの手になる原作を現代版にアレンジし、メインキャストには、人気実力とも急上昇中の若手英国人俳優ベネディクト・カンバーバッチ(シャーロック・ホームズ役)と「ホビット」シリーズで主役を射止め、その存在を不動のものとしたマーティン・フリーマン(ジョン・ワトソン役)の名コンビを配して、爆発的な人気を博す英BBCのドラマシリーズ「シャーロック」。本作は、そのスピンオフ版で、時代設定は、今回敢えて原作が描いた世界に戻している。ちなみに当方は、このTVシリーズは見ていない。
時は1895年、ビクトリア朝時代のロンドン。行き交う人々で賑わう市街のとある邸宅のベランダに現われた花嫁姿の婦人。その表情は、おぞましいほど殺気立っており、両手にはあろうことか拳銃が握られている。どうしたのかと思うが早いか、やにわに通行人に向けて拳銃を撃ちまくる。必死に逃げ惑う人々。ひとしきり撃ちまくった挙句、最後は自分の口に銃口を当て、自殺を計ったのだった。白昼堂々の事件にロンドン中が震撼した。
しかし、事件はそれで終わらなかった。その夜、自殺した婦人の夫の前に、死んだはずの婦人が現われて夫を銃殺してしまう。以後、花嫁姿の幽霊は霧の立ち込めるロンドンの街に夜な夜な現われては、“復讐”を果たしていく。世にも不可解で奇妙なこの難事件に挑むことになったシャーロックとジョン。果たしてその結末は?
カンバーバッチとフリーマンの軽妙なやり取りは流石で、思わず引き込まれる。なおかつ作品の構成自体に意表を衝く仕掛けが施してあるのだが、TVシリーズを見てないと混乱すること必死。ゾンビみたいにシャーロックに付きまとうモリアーティって誰やねん?キモッ。正直、はじめての人でもわかりやすい映画にして欲しかった。本編の前後にあるメイキング&キャストインタビューもいらんかった。