八戸旅情・・本理想を感じさせる不思議な体験 | アカデミー主宰のブログ

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 津軽への旅を終えて、五所川原からやっと奥羽本線の川辺駅に戻ってきました。青森へ戻るための「乗り換え」駅で、横浜から来たというおじさんと一緒になりました。話しているうちに一緒に行くことになりました。「旅は道ずれ」というか、話しやすくてとても心地よかったからです。そのおじさんは昨日は、山形の「山寺」を訪ねた後、「湯の浜温泉」に宿泊して、今日は五能線を一周してきたとのことでした。全車指定の快速「しらかみ」で私と一緒に乗ってきたのです。
 青森で特急「つがる」の接続があるので、八戸まで行こうということになりました。雨が降っていて、私と同じビジネスホテルを探しているということなので、私が携帯で調べてホテルを探すことになりました。八戸駅で下車したら駅前に大きなホテルがあったのでそこに泊まることにしました。携帯で調べて来たことを告げると快く引き受けてくれました。別々のシングルの部屋を確保して、やっと安心しました。
おじさんは疲れていたからすぐに寝るというので、コーヒーサービスを受けた後、明日朝に一緒に食事をしようと約束して別れました。おじさんはそのまま部屋に戻りました。
 私は食事がまだだったので、ホテルでシャワーを浴びてさっぱりしてから、近くの居酒屋に出かけていきました。旅に出るとホテルに荷物を置いてから、街に出かけて飲むのがパターンになっていました。
駅前の居酒屋に一人の板前さんがいました。最初の一杯は生ビールです。シャワー後の疲れた体には格別の一杯でした。料理を注文し飲みながら板前さんと話しているうちにいい気分になってきました。ビールの後は日本酒が定番なのです。刺身や焼き物が出て、会話も弾みました。入った時から気になる太めの体型でしたので積極的に話していました。板前さんも相手になってくれて、いろんなことを話しているうちに、私は、心が癒されていくのに気がつきました。板前さんの声に惹かれている自分に気がつきました。歌のことや仙台で修業したことなど話してくれました。どんどん惹かれていくので、また会いたい気分になっていたけれど、名刺を置くわけにもいかず、また会いに来るからと告げて出てきました。
 太めの恰幅のいいガタイで、声の甘さは格別、低音の声ならフランク永井だけれど、テナーの響きの甘い歌声ならこの人だなと思うほど、フランク永井を連想していました。
 それほど癒される甘い声、なかなか聞けない声の響きだと思いました。素敵な声をしていますね、と言っても、本人は全くそのことには気づいていないのが普通です。
 板前さんも全くその通りでした。この人に歌を教えて、歌わせてみたい衝動に駆られましたが、さすがにそこまでは言えず、心地よい会話だけを楽しんでいました。
 こんな本理想の男が世の中にいるものだ、と感じながら、できることなら抱きたい心境に駆られましたが、まさにこれは久しぶりの心境でした。
 ああこれが本理想なのか?久しぶりの心を揺さぶられる体験に、自分でも驚いてしましました。
 八戸でのこの体験は、今回の旅を豊かで、私の心を癒してくれるものとなりました。
 丁度カメラを持って行ったので、何枚も連写で撮影しました。板前さんも快く了承して被写体になってくれました。
 その板前さんのことを思うと、また会いにいきたいなと、心のどこかが疼くのです。
太めのガタイのいい丸顔の坊主の男でした。髪は坊主でしたが、若干伸びて短髪のようでしたが、笑顔の素敵な板前さんでした。恰幅がよく身のこなしや会話もできて、人のさばきもいいなと思いました。
 今でもその板前さんを思うと、本当に旅は出会いだ、と思うのです。日常では絶対に体験できないような不思議な心情を体験することができたのです。
 ほろ酔い気分でホテルに戻って、ゆっくり休むことができたのは言うまでもないことでした。熟睡して、朝は約束通りに起きて、昨日のおじさんと一緒に朝食をとりました。
 今は、ホテルの朝食つきは当たり前です。たくさんの宿泊客とのバイキング朝食は、とても美味しいものでした。函館でもそうでしたが、朝食バイキングは、夜以上に食べられ、一日の活力が湧いてくるものでした。和食、洋食でも、好きなものを好きなだけ食べられるバイキングはとてもよかったです。
 おじさんは2個のおにぎりとおかず数品、私は4個のおにぎりと様々な料理を食べて大満足な朝食になりました。
 何とこのおじさんとは、この後、仙台まで一緒することになったのです。八戸からは、陸中海岸、完全制覇の旅に出ることになるのです。
 その時は、二人ともそうなることは知る由もなかったのですが、何故か、昨夜の八戸の旅情だけは、そのおじさんに話すことはなかったのです。
 何か、私の心の奥底にしまっておきたい心境だったのでしょうか?八戸の旅情はぃつまでも私の心に響いているのでした。