先月中旬の長雨と大潮でゴミが流れつき、それが川に突き出た桟橋に引っかかって膨大なゴミの堆積となっていました。何回か作業を試みましたが、自分ひとりだけでは無理の状態だったので、隣の桟橋に係留している「おじさん」に「困ったことを」相談したところ、何と大潮の満潮時にうまくゴミを除去して舟の乗り降りができるようにしてくれたのです。
自分だけで何とかしなければと考えていたのですが、やはり勝手を知った「おじさん」、見事に満潮と潮の流れを生かして桟橋付近のゴミを除去してくれたのです。
「おじさん」とは、ただ隣に係留しているだけの関係で、一緒に漁にいったこともなく、あまり一緒の行動をしたことはなかったのだけれど、川や海のことについては何でも知っていて、何度か話した程度でした。
それなのに、重労働を伴うゴミの除去作業を黙ってしてくれたのです。何とこんなに親切な人もいるんだと驚くやら感謝するやら、私は本当に申し訳ない気持ちになってしましました。今の時代のこんなに親切な人もいるんだと、心からの感謝の気持ちでいっぱいになりました。
桟橋付近のゴミはまだ多く、舟を桟橋に付けることができるようになっただけで、まだゴミは堆積していましたので、今度は、私がゴミの除去作業に出かけることにしたのです。
その「おじさん」に、満潮時後の水が引き始める時間帯がいいと聞いていたので、潮見表から朝の時間帯に出かけたのです。
快晴に恵まれ風もなく鏡のような川面でした。4mの長さの貝をとる鋤簾(じょれん)や自分で細工した長い「かぎ棒」を使っての作業でしたが、これがなかなか大変な作業でした。ゴミがぎっしり詰まっているのと、鋤簾の重さとでなかなかはかどらなかったですが、約2時間必死になってのゴミ除去作業をがんばりました。
暑くなってきたので、上半身裸でがんばりました。夏の日ならば黒猫姿が気持ちいいのだけれど、朝が早いのでそこまではならなかったです。
それでも帽子は汗でびっしょり、何とかゴミを掻き出し、潮の流れに出してやると面白いように流れていきます。やはり潮の流れは凄いなと思いました。
約2時間かかっても、全部除去することはできません。次の予定もあるので今日はここまでにすることにしました。
取り組んでいる時は夢中でしたから感じなかったけれど、左腕の肘の筋肉が痛くてなってきました。帰る頃には左腕でものが持てない位、日頃使わない筋肉を使っての重労働がこたえました。やはり物凄い労働作業だと実感しました。全部終了していないので、また今度の朝の時間帯で満潮時の時に作業しなければなりません。少しずつ進めていきたいと思いました。
でも大体きれいになったので、筋肉痛はあったけれど、何か爽快というか気持ち良い気分でした。労働を通して周りを清掃することやきちんときれいにすることは、とても気分がいいものだとその時久しぶりに実感しまいした。
それにしても、頼んだわけでもないのに自ら進んで、舟を付けることができるようにしてくれた「おじさん」には、どんなにか大変な作業だったのにと感謝の念でいっぱいになりました。今度、何か手土産を買って持っていくとか、手作りのパンを持って行って差し上げる位しか、感謝の気持ちを伝えられないけれど、本当に人の気持ちや情けに感動してしましました。
本当に、人の情けに触れると涙が出てくるような年齢になってしまったけれど、改めて人の心のありがたさや素晴らしさに感謝しながら生きていきたいと思うのです。