私は4年前に脳梗塞で倒れて、それ以来、リハビリや回復のための努力を重ね、健康の大切さを改めて知ったのです。危うく一命を落とすところでしたが、全く運よくリレー搬送していただき、脳梗塞の後遺症が残るといわれる「3時間以内」の勝負で、その3時間以内に病院に搬送され、すぐに治療を始めることができたのです。今は、何とか後遺症もなく回復することができたのです。
やっとのことで退院することができた私は、健康のための取り組みを始めていました。
左脳梗塞であったから、右半身の障害がありました。右手、右足が若干動きが鈍い、言語障害も若干、言葉がでないこともありました。病院では毎日「酸素室」に入れられ、高気圧のタンクによって、強制的に酸素を体内に取り入れ、血液の流れを良くする治療を行っていました。
軽い脳梗塞で済んだので、何とか2週間で退院することができましたが、職場に復帰してもなかなか元のようにはいきませんでした。
回復するまでには、リハビリが必要だったのです。
食生活をまず改善することに取り組みました。バランス良く食べること、あまり量を食べないこと、暴飲暴食を避けることなど、医者からの栄養指導を受けることになりました。
それまでは食べることが大好きで、何でもたくさん食べていました。肉や魚が好きで、酒もたくさん飲みました。仕事のストレスも重なって、暴飲暴食を重ねるようになっていました。
長年のこうした不摂生が、脳梗塞を招いたのではないかと今考えています。
病院を退院した私は、規則的な生活と仕事復帰、毎日が大変であったけれど、リハビリに取り組みました。
さらにリハビリに課した課題は、脳の活性化のために「音楽」に取り組むことでした。もともと仕事の中に「音楽」することがあったので、抵抗もなく取り組むことができました。でもやはり毎日取り組むことは大変なことでした。
毎日ピアノを練習すること、昔取り組んだアコーィオンを弾くことなどでした。ピアノは両手の指の運動になること、機械的な動きで指の運動になる「ハノン」を毎日取り組みました。アコーディオンも、オクターブのアルペジオを延々とつなげる指の運動を重ねました。
私は、ただ機械的に練習するだけでなく、アコーディオンは特に、なるべく人前で演奏することを心がけていました。
人前で演奏すれば、おのずから自分も緊張し、必死になる、これが最高のリハビリ、脳の活性化につながったのです。
周りの人も評価してくれる、このことがやる気を引き出してくれました。めきめき指が動くようになっていきました。こうしてそれまであまり練習してこなかったピアノの練習を重ねたり、30年間も弾いてこなかったアコーディオンンを復活することができたのです。
私は20代の頃、毎日アコーディオンを毎日練習していたことがありました。いろんな場面で演奏してきました。でも日本にシンセサイザーやキーボードなど、アメリカから電子楽器が入ってくると、ほとんどすべての弾き手は、それらに転向していきました。
私もそうでした。だから現在では、アコーディオン弾き手は日本にはほとんどいなくなっているのです。
過去に盛んであった頃、たくさんの弾き手がいました。のど自慢でもアコーディオンで伴奏していました。それらの人は、今は全ていなくなっている。ある意味で私が最後の年代かも知れないのです。
私より若い人々は全てシンセサイザ-の楽器に向かいました。有名な人はいっぱいいます。喜多郎、富田勲、坂本龍一、姫神、コムロ哲也・・・思いつくだけでもたくさんいます。しかし、だれもアコーディオンを弾いてこなかったのです。
若干の若いメンバーで、早くに外国に留学してアコーディオンを習得し、現在貴重な弾き手として活躍している若いアコニストも、若干はいます。「コバ」と呼ばれる小林は有名であるが、彼はイタリアに留学して身に付けた貴重な存在です。
外国では今だにアコーディオンが活躍しているのです。フランス、イタリアはもちろん、ラテンアメリカなど、素晴らしい弾き手がたくさん育っています。日本にはそれがないのです。まさにアコーディオンは、日本では「絶滅危惧種」なのかも知れません。
私はアコーディオンを自分の中で復活させながら、リハビリで回復してきましたが、やっと昔のように演奏できるようになってきました。
でも全盛期の頃のようにはいきません。やはり80パーセントの回復かも知れません。
レパートリーの4000曲程度は回復したと思われますが、細かい音のパッセージは、なかなかうまくできていません。ものすごく速い指の動きでは、つっかかることがあります。
お客さんからリクエストがきて、昔は約15秒以内に前奏を弾き始めることができましたが、今は時々前奏がすぐに出てこないことがあります。(楽譜を見ている暇はないから、私たちは弾き手は全て暗譜しての演奏です)それらがまだ完全に回復していないことの証拠であるような気がしています。
日本にほとんどアコーディオン奏者がいなくなった現在、私のアコーディオン復活とともに、弾き手を育てるためにがんばっていかなければならないと思うようになりました。
現在、専門である歌の教室、合唱のサークルなどを指導しながら、アコーディオン教室を開設し取り組んでいます。少しずつ増えているのがうれしいです。入門コースと初級、中級コースとして力量も少しづつ上がってきています。
日本にはアコーディオンの楽器そのものがなくなってきていることも事実です。作ってるメーカーが少ないし、いい音の出る楽器は全て外国のものなのです。私の所有している約10台の楽器は全てイタリアのものです。どうしたわけか楽器を買い足してきたものは、全てイタリアの楽器でした。イタリアの音が明るくて美しいと感じるからなのかも知れなません。イタリアの楽器が私は一番好きなのです。
結論、健康になるためのノウハウは、私の場合まず「音楽」でした。楽器にしろ、歌にしろ、ものすごく体にいいのです。これは科学的にも証明されているものです。ここでは詳しく述べませんが、歌は、脳の活性化ばかりでなく、全身を使った運動であることは言うまでもないことです。特に腹式呼吸で腹筋を使います。すごくエネルギーを使います。どんな歌でも、歌うことは素晴らしい健康の秘訣なのです。
カラオケでも合唱でも何でもいいのです。歌えば健康になります。これは間違いのないことです。精神的にも心の「解放」につながります。
さらに「運動」、ここでは歌を歌う程度の軽い運動です。私は歌の練習を始める時は、必ず柔軟体操から始めます。全身を柔らかくほぐしてから歌うことで、活性化がさらに図られます。
そして歌うことは若さにつながります。歌っている人は、皆、若々しく見えるのです。
私の指導しているメンバーは、どの人も大体、数歳程度若々しく見えます。
そうです。歌を歌うことは若さにつながるのです。
どうぞ健康のために歌を取り入れ、また、楽器演奏を取り入れ、若さを取り戻してみませんか?
音楽は、現在私にとっては生活の一部、どんなに忙しくても課題をやり遂げていくエネルギーにもつながっています。
一昨日は、カルチャーセンターでのボーカルレッスン、個人指導の連続数時間、昨日はピアノ演奏、アコーディオン演奏ステージ2時間、今日は合唱。歌の指導の2時間が予定されています。
好きな「アルバムづくり」で、レコーディングーディングも、また再開しなければと思う今日この頃です。
結構ハードで疲れるけれど、それが人生を生き生きさせる源かも知れません。
みなさん音楽を生活の一部に取り入れて、健康に向かって歩み始めませんか?
今日から新しい一歩が始まります。生き生きとした素晴らしい人生のために。