フランク永井歌コンクール及びそのグランドチャンピオン大会が大盛会のうちに無事終了しました。
第10回のコンクールに出場したレッスン生で、決勝に残った方は、大健闘果たし準優勝を獲得することができました。ものすごい激戦を勝ち抜いたレッスン生は、本当によくがんばったものだと思いました。心からお祝いをしたい気持ちでいっぱいでした。また、グランドチャンピオン大会に出場したもう1名のレッスン生は、残念ながら選外になってしまいました。ものすごいレベルの高い大会で、誰がチャンピオンになってもおかしくないような状況の中でも、自分の持っている歌唱を存分なく発揮して、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。本当によくがんばりご苦労様ですと、ねぎらいたいと思いました。
第10回の大会については、今回は、評価の基準があまりきちっとしていなく、また講評の中でも、その評価基準を提示することもなく、決勝出場者はもちろんのこと、観客として応援している私たちにとっても、評価基準が曖昧であり、また明確に提示されたわけでもないので、不満の残る結果となってしまったことが残念でした。あれだけ「ずらし歌い」や「耳を覚えでの歌唱」を否定していたにもかかわらず、その評価基準に基づいた決勝の評価ではなかったような気がして、何となく不満が残る結果となってしまってような気がしました。
願わくば、今までの評価基準を厳正しながら、今回の評価査定を行っていただきたかったというのが私の率直な願いでした。
かなり難しい歌で、崩し歌いや感情表現が重要視される楽曲ではあるのですが、日ごろの審査員が講評で話していたような評価基準に合致した形での評価ではなかったよな気がしたのは、私だけだったでしょうか。決勝に残った出場者の皆様も、おそらくはそう感じていたのではないかと思いました。
最終的には、審査員の好みと言うこともありますが、やはり基本的な評価基準だけは明確にして、誰もが納得ができる順位決定を行ってほしいと思いました。それでないと毎年参加している方や遠くから参加してる方々が、不満持って帰ってしまわないかが心配でした。何はともあれ、今回はレッスン生1名が、準優勝として食い込むことができたのは、本当にたゆみない練習の結果だったと思いました。
午後から開催されたグランドチャンピオン大会においては、それこそ誰がチャンピオンになってもおかしくないような歌唱が続く中で、今回の評価に至って優勝者が決定したと言う事は、私はフランク永井の評価基準に合致していていてとても素晴らしいことだと思いました。私個人としては、優勝者については完璧に納得できる評価だったと思いました。
本当に誰が優勝してもおかしくないほどの歌唱力の持ち主の方ばかりでしたが、私は、審査員の講評で、印象に残った言葉が1つだけありました。講評の場面で、審査員の方がおっしゃったことが、とても印象に残りました。一人ひとりの歌唱は、ほぼ完璧で歌唱力豊かで、素晴らしく聞こえるのですが、審査員の講評の中では、審査員の自分の頭にの中にある曲と違って聞こえるということを話していました。つまりすべての歌唱力豊かな方の歌唱が、審査員の頭の中では若干ずれているのでないかと思ったんです。つまり豊かな歌唱力をお持ちのグランドチャンピオンに参加した方々の歌唱が、上手すぎるほどの歌唱力なのですがもやはりずらし歌いやスナック歌いのような、フランク永井の歌とは、ずれて歌い方をしているのではないかと言うふうに審査員の頭の中には感じたのかもしれないと思いました。
そういうふうにして私もすべての豊かな歌唱を思い浮かべてみれば、優勝した方々以外は、ほとんどフランク永井のどんぴしゃりの歌唱とは若干ずれて、自分流の歌になっていたような気がしたのです。どんなに歌唱の優れている楽曲も、やはり自分流に味付けをして、または歌いやすいように脚色して、歌ってしまっていたのではないかと思ったのです。
そーゆー視点で考えてくると、今回の審査員の評価は、間違いなくフランク永井の歌コンクールの評価としては最高の評価ではなかったかと思いました。
優勝した方の歌唱以外の方々の歌唱は、審査員の方の言葉によれば、どこか違って聞こえる、または力んで聞こえる、と言うふうにお話ししていたと思いました。
フランク永井歌コンのグランドチャンピオン大会の評価は、それほど厳密であり、厳しい評価だったのかもしれないと思いました。今まで歴代のチャンピオンの方の歌唱が、審査員の頭の中では、どこかずれて聞こえる、違った曲に聞こえると言うことだったのです。その意味でどんぴしゃりの歌唱力と豊かな表現力で歌いきった優勝者の歌声は、私は文句なく優勝者にふさわしいものであると思いました。
コンクールの評価は、様々な意見があるでしょうが、このような考えの他にもいろいろな意見があるでしょうが、私はこのグランドチャンピオン大会を通して、これからのフランク永井歌コンに向けての歌唱指導や音楽指導に、多くの示唆を得ることがでような気がしました。やはりかなり崩して歌えるスナック歌いのような耳覚えの歌い方を克服しながら、きちんとした音楽指導としてフランク永井の歌の素晴らしさを、多くの人々にこれからも伝えていきたいと思いました。
今回のグランドチャンピオン大会を通して、音楽指導の原点や歌唱指導の基本、などを確認することができたと言う意味において、私は大きな成果を得ることができたような気がしました。
白井先生は、今回で後進に道を譲り勇退をなさると言う事でしたが、白井先生の残した足跡は、本当にこの歌コンクールには宝になっているのではないかと思いました。これからもフランク永井歌コンが、白井先生のような原則的な評価基準をきちんと掲げながら、どこまでも公平に、公正に、そして音楽的に豊かに評価していってほしいと思いました。今回の素晴らしい大会に接することができて、本当にまた1つ心が豊かになった感じがしました。
地域の実行委員会の皆様や大会関係者の方々はもちろんのこと、フランク永井の残したかけがえのない財産に、心からの感謝をしながら、これからもさらに未来に向かって、後進の方々にフランク永井の歌の素晴らしさを大会伝えていきたいと思いました。