スタジオには様々なタイプのレッスン生がやってきます。
昨日は、市内で2軒のカラオケスナックを経営しているスナックのママがレッスンにやってきました。
他のレッスン生が、そのスナックに通っているのですが、そのレッスン生が、当スタジオのレッスンを受けるようになってから、
歌が物凄く上手になったのを聴いて、自分もレッスンを受ける気になったと話していました。
昨年からのレッスンですが、仕事が掛け持ちで、忙しいので、12月の「発表会」には出演はしませんでした。
練習している楽曲は、自分で探してきた新しい曲でした。今の課題曲だけにに継続的に取り組んでいるので、聞いてみたら、
3月には、電力ホールで、自分たちの「歌の会」の発表会があり、それに向けての取り組みであることも分かりました。
機械採点では、既に高得点を出しているのに、練習の課題は替えようとしません。聞いたら3月まで1曲に絞って、練習していくと話していました。
1回目の歌唱で、大きなミスもなく、上手に歌唱出来ることが分かりましたが、本人はそれでは納得していないので、
もっとハイレベルの、細かいレッスンをしていくことにしました。
楽曲をアナリーゼ(分析)して、細かい部分の音の動きを表現する課題も見つけました。細かい部分を指摘して修正して、
さらに抑揚の付け方を練習しました。♭6 個もある、難しい調の楽曲でしたが、丁寧に説明しながら指導しました。
♭6個もある楽譜は、なかなか読むことも難しいのですが、噛み砕いて説明しました。
このように難しい楽譜は、指導者泣かせかも知れません。何しろ楽譜を読める方、さらにピアノで弾ける方は、そういないと思うからです。
私には、どんな楽譜で読めるノウハウがあり、またピアノを弾けるノウハウがあるので、大丈夫なのですが、
普通のカラオケの指導者レベルでは、なかなか難しいと思いました。
ピアノ伴奏による1時間の指導の最後には、機械採点をしました。高得点で、ほとんど耳では、ミスは感じられなくなりました。
もう既に十分ハイレベルな領域まで達成しています。
でもスナックのママには、目標があるようです。もっともっと高い水準まで、歌唱を高めたいようです。
楽曲は替えないで、今後もこの楽曲だけで練習していくことを話していました。
普通スナックで歌うとか、普通のステージで歌うだけなら、これで十分なレベルなのですが、どうしたわけか、3月の電力ホールでの自分の歌唱には、
別の目標があるようでした。私はそこまでは聞くことが出来ませんでしたが、かなりの「志」があると思いました。
1週間後のレッスンを予約し、これからは追い込みに入っていくように思いました。恐らくこのスナックのママは、機械採点で、100点満点を出すまで取り組むような感じになっていました。
スナックのママらしく、華やかで、あでやかな服装や、やはりその世界の方と分かる豪華なコートを羽織っていました。
高級な乗用車に乗って、市内を飛び回っているようでした。何と市内のお店の1軒は、国分町のど真ん中に店を構えていると話して、場所も教えてくれました。
もう1軒は泉の中心市街地にあるようです。一度、スナック通いをしているもう一人のレッスン生と出かけてみても、勉強になるような気がしました。
人は何事にも、目標をもち、ひたむきに生きることの大切さを教えられた感じがしました。相当なハードルの高い電力ホールでの「発表会」なのかも知れません。1曲だけに絞った歌唱練習中から、その人の目標に向かう、凄い意気込みも感じることが出来ました。
そうです、音楽学習には、自分の目標に向かう気合と意気込みも大きなメルクマールになることを、その時教えられた気がしました。