努力のレッスン生から学ぶもの、「我流を捨て、基本に忠実こそが、高得点を叩き出す」 | アカデミー主宰のブログ

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仙台ミュージカルアカデミーの旬な日常情報をお届けします。
HPには更新が面倒で記載できない、日々の出来事情報を織り込みます。ご期待下さい。
ライブ動画も掲載しました。検索は、ユーチューブで「仙台ミュージカルアカデミーライブ&発表会、花は咲く 荒浜」です。

 スタジオレッスン生には、他の教室に同時に通っている方がいます。
 他の教室で指導されたこと、指摘されたことを、私のレッスンで身につけるためにやって来るのです。
 その教室で指摘されたら、その教室で指導して頂ければいいのでしょうが、沢山の方々のグループレッスンで、
一人あたり、数分のコメントだけなので、実際に指導して頂く時間はないと言うのです。
 それでも有名な方のレッスンなので、高いグループレッスン料を払っても、その教室に通うのだと言います。

 そのため実際の修正や指導は、全て、当アカデミーのレッスンで行っています。
 
 そのレッスン生も、何とか歌えるようになりたいと思い、通ってくるようになりました。最初は、なかなか厳しいと思うこともありました。
 発声も出来ていないし、楽譜も読めるわけでもありません。とにかく正しく歌うことから練習をしてきました。
音は正確にピアノで取りながら指導してきました。

 続けることは、本当に凄いことです。昨年の「音楽祭」にも出演し、これまでの練習の成果を披露することが出来ました。
昨年12月の「発表会」にも出演し、かなり上達してきたと感じていました。

 その方が、ある楽曲を、どうしてもさらに仕上げたいと言うので、大体は完成している曲なのですが、さらに微調整しながら仕上げるレッスンをしました。
 
 もう一方の先生からは、すでに合格の判定は頂いているようでした。でも「もっと聴き手に伝わるように」という指摘は受けていたようです。
そのためか、このレッスン生は、さらに仕上げたいと話してきました。

 レッスン生の意向で、その曲だけに絞って、微調整しながら、本格的な仕上げのレッスンをしていきました。
 普通は、見逃しても平気なような細かい部分を指摘しながら、レッスンを重ねました。
 この段階は、本格的な、「歌手指導」の段階だと思いましたが、その甲斐あってか、
最後の機械採点では、今まで出したことの無いような、高得点をたたき出したのです。
レッスン生は本当に指導した通りに努力を重ねたように思いました。

 丁度、その歌唱をデーターで収録しておいたので、それを一緒に聴いてみました。
本人も自分の歌唱に驚いたようで、「自分でも、上手に思える」と、自分の歌唱を絶賛していました。本人が喜んだのは言うまでもありません。

 あれだけ音程的にも、楽譜的にも厳しかったレッスン生が、これだけの高得点を出したのには、私も本当に驚いてしまいました。本人は、基本に忠実に、本当に努力したと思いました。
 音楽学習は、名実ともに「積み上げ学習」であることが判明したのは言うまでもないことです。

 レッスン生には、様々なタイプがあり、修正しても、ステージで歌うと、すぐに耳覚えに戻ってしまう方がいます。レッスンでは修正出来るのに、すぐに戻るのは、やはり自分の我流、自己流へのこだわりや「確信」があるからかも知れません。
 
 そういう方は、大体は音感が良く、比較的歌には慣れていても、本当の意味での上達は、なかなか難しいと思いました。
 すぐに自己流や我流に戻るのは、自分へのこだわりが強い方なのかも知れません。

 この自分へのこだわりを捨てて、ひたすらレッスンした通りに、正確に、忠実に表現する方は、どんなにレベルが最初は低くても、驚くような高得点をたたき出すまでになるのだという証明をすることが出来たように思いました。

 レッスンを受ける方は、半端な気持ちではダメなのです、本当に自分の歌唱を修正し、上手になるための方策を探ろうとする真摯な姿勢が必要なのだとその時に気づいたのでした。

 どんなに上手そうに見えても、我流に落ち着く方は、なかなか本当の上達は難しいばかりか、ステージでの最高賞やコンクール制覇には、程遠いという結論にも達したのです。

 やはり音楽学習は、基本に忠実に、しかも自分の我流や耳覚えを、本気で修正することなしには、決して達成できないものであることを、私たちに教えているのかも知れないと思いました。

 このレッスン生の見違えるような上達ぶりから、どんなレベルからでも達成できる、音楽学習の本当のあり方やノウハウを見つけることが出来ました。

 これからもこのレッスン生の努力と歌に対する姿勢の素晴らしさに寄り添いながら、今後も音楽学習の本当のあり方を研究していきたいと思いました。