「歌コン」目指すレッスンからの雑感2、「油断大敵、怪我一生!」 | アカデミー主宰のブログ

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昨日は、オフでしたが、土曜日は、「歌う会」前に、「フランク永井唄コン」を目指す2名の個人レッスンがありました。
コンクールを目指す歌唱の難しさを、改めて実感しました。本当にハイレベルであることを実感することから出発しなければなりません。

 二人とも普通にカラオケでは、上手に歌えます。周りからも拍手を頂ける歌唱ですが、コンクールを目指すとなると、厳密に評価が必要になります。

 基本から全てをチェックする必要があります。その中でも、一番重要なのは、音程とリズムです。これを抜いては、評価規準を設定することはできません。
 評価規準は、まだまだ数限りあるのですが、まず一番重要な、音程とリズムをチェックしました。音程が正しくても、リズムにきっちりと嵌っていなければなりません。少しでもズレると間違いを感じてしまします。

 さらにフランク永井の作品は、16分音符の細かい音程の動きがあるのです。それもきちんとチェックする必要がありました。

 最初ピアノで音取りながら、ゆっくる進めたのですが、音程が大体は取れても、どうしてもリズムと合いません。リズム唱だけで必要かとも思いましたが
結局、ソルフェージュで正しく歌えることが、最短距離であることが分かり、丁寧に階名読みからスタートすることにしました。

 階名読みの方法は、指導して、階名を楽譜に記入しました。それを正しくソルフェージュで歌うことを練習しました。

 今まで一度も取り組んだことのない方には、最初は大変ですが、少しずつ出来るようになります。他のレッスン生でも試していたからです。

 ソルフェージュで、暗唱出来るまで歌えるようになれば、大丈夫です。それをメトロノームを使って、テンポに合わせて練習するように話しました。
最初は難しいと思えるかもしれないけれど、コンクールを目指すためには、それが最短距離なのです。

ソルフェージュが出来るようになれば、音程やリズムのズレがなくなるからです。
歌唱は、それに歌詞をのせるだけなのですから。
 他にも発声や表現の課題は、これからいくつも出てきますが、それは全て、ソルフェージュができてからの話なのです。
多くの人は、それをやらないで、アバウトに耳から覚えた程度で、ステージに立つから、審査員にチェックされてしまうのです。

 次回のレッスンまで、このメトロノームを使ったソルフェージュを練習してくるように話しました。音楽学習で、レッスンは一時で、日常の練習の積み上げが勝負になるのです。レッスンでは、その練習の仕方や、問題を発見して、正しい方向を指南するだけなのです。

 ソルフェージュ攻略が、コンクールを目指す歌唱の出発点なのです。音楽は一つ一つを基礎から積み上げることが必要なのです。
積み上げ上げ学習なのですから、そのことを考えて練習することです。出来ないことを飛ばしても、結果は見えています。

 子供の算数学習で、引き算が出来なければ、絶対に割り算が出来ません。引き算が出来ていなければ、割り算の学習段階になっても、引き算に戻って学習する必要があるのと同じことなのです。
 
 基礎から一つ一つ攻略することが、音楽学習では重要なのです。そして、それが課題を攻略するための最短コースなのです。


 もう一人のレッスン生は、歌唱力抜群で、楽譜から幾つかの修正をして、それがすぐに飲みこめて歌唱に反映させることができました。
楽譜からは、ノーミスのように思えましたが、機械採点では、高得点ではあるのですが、100点満点まではいきませんでした。
耳では聴き取ることのできない課題のようでした。コンクールでは、このラインが、いわば横一線かも知れないと思いました。
だからこの方のレッスンは、ここからが出発だと思いました。

 耳で聴いては分からないほどの課題、息つぎの瞬間性の課題(聴いて分からないように息つぎする技法)、抑揚の課題、フォルテからピアノまでの使い分けなど、言ってしまったらキリがないほどの課題があるのかも知れません。100点まであと少しの方でも、コンクールでは、ここからが勝負なのだと思いました。何しろコンクールでの評価は、紙一重の差で決まるほどのものだからなのです。

 益々引き締めたレッスンと、研ぎ澄まされた感覚での指導が必要なのだと思いました。

 一般には最上級の歌唱として、賞賛されるかも知れなくても、油断をしてはいけないのです。それが落とし穴になるからです。
どんなに素晴らしく賞賛されるレベルであっても、そんなことは関係なく、ひたすらコンクールに向かって、「完璧」を目指す必要があるのです。
それがコンクールを制覇する鉄則であることを、心の中ではっきりと確認することが出来ました。

 これから数カ月のレッスンでの、たゆみない研鑽が勝負のカギだと思いました。まさに、「油断大敵、怪我一生」なのです。