難しい楽曲をソルフェージュから取り組んでいるレッスン生がやってきました。
この方は、歌は何でもハイレベルで、歌えるのですが、究極的に1曲、1曲を100点満点で完成させるためには、
ソルフェージュの学習が必要だと感じたようです。
今回は発声の練習の後は、ソルフェージュだけに取り組みました。
前から取り組んでいるので、大体は出来るようになっていました。でもこの難しい楽曲は、ゆったりとしたテンポの中に、16分音符がタイで繋がって、とても歌いにくく、さらにテンポが取りにくい曲になっていました。
ソルフェージュが出来るのに、テンポが合わないことが出てきました。
音程は確かなのに、テンポ感が合わない方もいます。
課題は、人それぞれです。音程が取りにくい方、テンポ感が取れない方、その他にも、人それぞれで、苦手な部分が皆違うものです。
この楽曲は、特にテンポ感が難しい感じがしました。
それで、デジタルピアノに備わっているリズムボックスを使って、メトロノームとしてカウントしながら、一定のテンポの中で、ソルフェージュをしていく練習をしました。
ただのソルフェージュよりの格段に難しいリズムソルフェージュ、これも取り組めば、段々出来るようになるものです。
1時間の練習の大半を使ったら、段々出来るようになるから不思議です。私も一緒に指導しながら、リズムを入れながらのソルフェージュの練習は、ただソルフェージュをするよりも、難しいけれど、最も有効であることが分かりました。
練習を何回かするうちに、完全に楽曲が頭に入ったからです。後は、それに歌詞を乗せるだけです。
さらに伴奏に、カラオケを使えば、歌は完璧に、正確に覚えられることも分かりました。
どんな難しい新曲でも、攻略する方法が、段々ノウハウとして明らかになってきました。
一番ダメな方法は、はっきりしています。それは先にテープやUtubeを聴いて、耳から覚えることです。
それすれば、頭の中に、耳覚えがこびりついて、離れなくなるからです。修正するのは、倍以上の時間がかかります。出来ない場合もありますし、修正出来ても、ほとんどの方は、すぐに耳覚えに戻ってしますのです。これは恐ろしいほど、耳にこびりついて離れないものなのです。
どんな難易度の高い新曲でも、攻略法はこうです。最初に楽譜をゲット、譜面読みから始めます。その時に、歌詞は後で、ソルフェージュから開始します。それが暗唱で出来る位に頭に入るようになったら、メトロノームかリズムボックを使い、テンポを一定にして練習することです。この一定が重要です。
最初はゆっくりのテンポから始めます。出来るようになったら、少しずつ早めます。
ソルフェージュの段階で、ピアノや楽器を使って音程を確認することは必要です。自分で出来なければ、先生にお願いするしかありません。先生はそのためにあるのですから。この音程の学習は、ソルフェージュの命です。音程感覚がそこで養われるからです。
完全に出来たところで、音程を入れながら、メトロノームでソルフェージュが出来れば、完成したようなものです。
その流れで歌詞乗せて歌います。カラオケで歌うのは、最後です。
カラオケで完全に歌えるようになった段階からが、本格的な歌唱の練習に入るのです。そこからが歌唱の本当の表現の練習なのです。
これが本当の、どんな難しい曲でも攻略出来るノウハウなのです。私は実践指導の中で、そのノウハウとして実感しながら明らかにしてきたことなのです。普段は誰にもそのノウハウは話しません。それを使って指導しているからです。でもそのノウハウを聞いただけで、全部のプロセスを出来る方は、指導者として立ってると確信できます。それほど様々な能力が必要とされるものです。読譜力、伴奏法、その他、様々な力が求められます。
ところが、世の中の人々は、逆の方法で覚えている方がほとんどです。それは、ほとんどが耳覚えです。楽しむ程度の、大体を、アバウトに歌うのであればそれで十分ですが、ステージに立つとか、コンクールに出る場合は、そのアバウトな部分がチェックされるからダメなのです。
自己流や我流では、絶対、100パーセントクリヤー出来ないのはそのためなのです。審査員は、それほど研ぎ澄まされた感覚で、楽曲や歌唱ををチェックするからなのです。
どんな難曲でも攻略出来ないことはないのです。どんなハイレベルなコンクールでも、勝ち取る道は必ずあるものなのです。
そのノウハウを身につけて、クリヤーした人だけに、栄冠は輝くものなのです。
どんな難曲でも、攻略出来ないことはないのです。ほとんどの方々は、そのやり方が、分かっていないか、出来ないかだけなのです。
逆のやり方で取り組んでいる方は、自己満足は出来ても、コンクール攻略は、ほとんど無理なのはそのためなのです。
難曲攻略の練習方法を案がえる時、その一つからでも、そのことが言えるのだと、私は、発見する思いで気がつくことが出来たのです。
コンクールや、どんなものでも、課題達成は、必要な努力を惜しまず重ねて、求める者のみにだけ、勝ち取られるものだという当たり前のことを再認識することが出来たのです。