「歌コン」目指すレッスンの雑感、「ガラリと変わる基本的な発声指導と課題意識」 | アカデミー主宰のブログ

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 昨日は、「歌コン」を目指す方の個人レッスンがありました。グループレッスンにも参加している方ですが、
今回初めて個人レッスンにやってきました。前月に予約していました。

 今日持参した樂曲をカラオケで歌ったら、ほぼノーミス、音感の素晴らしい方で、フランク永井の作品の繊細な音符も見事表現していました。
16分音符の繊細な表現が出来る方は、なかなかいないと思いました。

 でも私は、以前から、発声が気になっていました。フランクの「共鳴発声」を身に付ける必要を感じていました。フランクの作品は、
以前から、低音から高音までの「共鳴発声」がポイントであると思っていたからです。

 楽曲は、見事に歌えるのに、気になる部分があるので、そのことを話したら、本人も感じていたようで、ヴォイトレを中心に、
その楽曲で学習することになりました。

 発声の基本から、ロングトーン、スケール、共鳴発声の基本を指導していきました。腹式呼吸を指導しながら、段々高音部の共鳴が、
出来るようになってきました。

 一気には、なかなかいかないまでも、少しずつ響きのある声になってきました。フランクのような「共鳴発声」が出来れば、
大きく飛躍し、上達出来ると思いました。声質は、低音の素晴らし資質があり、十分だと感じていました。

 基本的な発声指導をしてから、楽曲をピアノ伴奏で歌いながら、何回も、少しずつ修正していきました。
音感は抜群なので、細かい指導はいりません。

 歌手を指導するときのような、レベルの高い指導になりました。段々声の響きが共鳴発声のようになり、フランクの響きの感じが出てきました。
本人も、高音部の音が楽に出せるようになったと話していました。

 少しの基本的な発声指導だけで、楽曲がガラリと変わった感じがしました。最後は、カラオケで再び歌ってみましたが、
最初に歌った感じとは、ガラリと変わって、素晴らしい響きになっていました。
低音部はもちろんのこと、特に、高音部の響きは、「抜ける」ような響きになっていました。

 少しの基本的な発声指導だけで、ガラリと声の響きが変わるものだと驚きました。本人もそのことは実感したようです。
カラオケでの歌唱は、最初の歌唱とは全く違って、「響き」のある声になっていたのです。

 僅か数十分の指導で、劇的に変わるものだと、基本的な指導の重要性を改めて実感しました
 最後のカラオケでの歌唱は、本人も満足したようでした。

 次の「講座」の受講生がやってきていたので、機械採点まではいかなかったのですが、そこでレッスンを終了してしまいました。

 音楽は、積み上げ学習なので、継続しなければ、すぐに発声は、元に戻ることも話しました。
意識的な共鳴発声の方法を積み上げながら、継続していけば、必ずフランク永井のような声質になることを確信しました。

 それほど素晴らしい声質の持ち主の方でした。「フランク永井歌コン」を目指す方としては、声質的に、ジャストフィットと言う感じでしたが、
これからの積み上げが課題だと思いました。

 最後に歌った歌唱は、見違えるように変わったことは確かなのですが、私には、腹式呼吸やビブラート歌唱については、
まだまだ課題があると思いました。

 音楽は、積み上げこそが全てなのです。持続的に継続する中でしか、課題は達成出来ないことも事実なのです。

 オリンピック選手のように、取り組み続けながら「技」を進化させていくことでしか、課題は達成出来ないのも、また自明のことなのです。

 取り組む本人が、どこまで課題意識を持ちながら、継続するかが、カギになることは言うまでもいないことなのです。

 素晴らしい資質に恵まれている方ですが、レベルの高い「フランク永井歌コン」では、そのような方々は、ゴロゴロいるのです
その横一線の並びから、どのようにして抜け出し、自分の「技」を進化させ、上に這い上がるかが勝負なのです。

 その差は、紙一重かも知れないのです。素晴らしいレッスン生の資質を感じながらも、本人が、果たして、オリンピック選手のような課題意識を持てるようになることができるか否かが、そして、それに見合った努力を積み上げることができるかが、最終的なカギになることを感じていました。

 改めて言うまでもなく、「フランク永井歌コン」は、全国区、いや全世界区、つまりオリンピック区であることを、全ての「歌コン」を目指すレッスン生に理解して欲しいものだと思いました。

 「フランク永井歌コン」は、実は音楽の世界では、オリンピックと同レベルの「歌コン」であるということを、果たしてどれだけの方が理解することが出来るでしょうか。
 何故なら、フランク永井の歌声は、全世界で、「唯一無二」だからなのです。

 そのオリンピック制覇の課題意識を持つことなしに、そして、その取り組みなしでは、「歌コン」の栄冠を勝ち取ることは、出来ないことなのかも知れないのです。
 
 全国からやってくる挑戦者は、その意識があるからこそ、日々たゆまぬ努力を重ねて、年に1回の「歌コン」目指して、高い費用を費やしてまでやってくるのかも知れません。

 地元宮城の「歌コン」挑戦者の課題意識が、益々問われているのかも知れないと、私は、その時、はっきりと心の中で感じていたのでした。