毎週真面目に通ってくる方のヴォーカルレッスンが、今日からソルフェージュにレッスンに変わりました。
今まで難しい楽曲を選曲して、コンクールに出場したり、各種の大会に出てきたようですが、大きな大会で優勝出来ないのは、きちんと、楽譜を読めていないからだと気づいたようです。
歌は、表現力もあり、申し分ないのですが、「崩し歌い」が、前から気になっていました。耳覚えの典型でした。
前から、少しずつ、きちんと楽譜に基すくレッスンをしてきたのですが、今回からは、歌のレッスンは後にして、楽譜を階名読みで歌う、ソルフェージュでレッスンすることにしました。
それも、前回から取り上げた難しい楽曲でのソルフェージュです。
本来は、コールユブンゲンという教材を使って基礎から進めるのですが、いきなり難しい楽曲で勉強することになりました。
歌は覚えているのですが、ソルフェージュは、階名で歌を歌うと同じように出来ることが目標です。
難しくても時間をかければ、出来るようになるものです。今日も大分進みました。ソルフェージュをするためには、音階の理論も必要です。それを丁寧に学習してからの勉強でした。
もちろんハ長調の曲ではないので、どうしても音階の理論が必要になるのです。
いきなり、難しい曲に挑戦しながら、必要に応じて理論を勉強していくことも「あり」だと思いました。でもそれには、本人のやる気が必要です。
私は、もっと簡単なところからと話したのですが、本人が難しい楽曲から入ると希望したのです。本人のやる気は大したものだと思ったし、日ごろの努力が、レッスンや「発表会」の成果にも表れていると感じました。
やはり、学習する順序はともかく、本人のやる気が一番大切だと思いました。その方は、自分で小さなキーボードを購入し、家で音取りをしていると話してくれました。隠れたところで努力をしているのだと、驚いてしましました。
このレッスン生は、努力の結果として、ソルフェージュを習得し、きっと「耳覚え」を克服できるような気がしました。
表現力の素晴らしさも加味され、今後、さらに素晴らしい歌唱力を獲得できるのではないかと、その時思いました。
どんな境遇の中でも、「努力に勝るものはなし」なのかも知れません。
私の20代からの独学での音楽人生が、二重写しに重なって蘇ってくるのを、その時、体に感じていました。