また新たな目標に向かっての、レッスンが始まりました。
レッスン生は、新しい課題曲をいろいろなジャンルで歌ってみたいと話していましたが、イベントが終わったばかりで、具体的に考えてきませんでした。
談笑しながら、傾向を探り、合った曲を紹介する気持ちで、私が歌ったら、その曲が良いというので、レッスンに入ることになりました。レッスン生は、全く初めての曲と話していました。楽譜をコピーして、最初からの歌唱指導をしました。丁寧に正確にピアノ伴奏で指導していきました。
数十分の歌唱指導をしてから、カラオケで歌ってみました。まだ修正個所が幾つかあったので、修正してから、カラオケで機械採点に挑戦したら、何と「いきなり高得点」を出しました。90点台半ば近くに達する高得点で、他のエレメントも申し分ありませんでした。
レッスン生は、初めての曲で、高得点を出したので、驚くほど喜んでいました。
レッスン生の素直な歌い方と、音感の良さもさることながら、初めての曲に挑戦したことで、変な耳覚えや癖がなくて、素直に歌えたためであることも分かりました。
レッスンには、今まで耳覚えの曲ではなく、全く知らない曲に取り組み、丁寧に最初から指導するのがベストであることも分かりました。
耳覚えの曲は、なかなか楽譜通りに指導しても、修正が難しいことも分かりました。レッスンで修正出来ても、カラオケのステージでは、戻ってしまうことがあるからです。耳覚えは、厄介な覚え方であると痛感していますが、その耳覚えで、楽曲を覚える方が多いから大変なのです。
コンクールでは通用しないことは、明らかなのですが、なかなか修正出来ない厄介な覚え方なのです。
楽曲は、知らない曲を最初から丁寧の覚えていくのが、最短距離ということも分かりました。
如何に、耳覚え&自己流&独りよがりな崩し歌いを克服するかが課題です。
もちろん発声の問題での、声の質的なレベルを上げることも大きな課題です。「フランク永井歌コン」の場合は、自分の声の共鳴のさせ方の課題もあります。発声法の課題は、大きな指標になることは言うまでもありません。
コンクールの冠は、両者の課題が見事に克服できた場合にだけ、自らに微笑むのかも知れません。本当に課題は大きく、奥が深いと思いました。
余りに劇的に変容し、「高得点」を出したので、私も少しは疑い、「その楽曲を、本当は少しでも知っていたのではないか」と、帰るときに尋ねたのですが、レッスン生は、再度、きっぱり「初めての曲」だと言い切ったのです。
レッスンとは、本来このような「驚き、感動」を呼び起こすものでなければならないのかとも、一瞬思ってしまう私がありました。