先日、友人の奥さんの葬式に行ってきてから、
しばらく、少し気持ちが塞いでいました。
訥々と、その状況を語る友人は、
まるで、別世界の話をしているかのようでした。
震災当時、その友人は仕事中で、
地震があったときには、防災無線などの連絡もなく、
津波の危険など思いもしなかったそうです。
隣人の掛け声に、ようやく避難し始めたその頃には、
すぐ近くにある自宅が、飲み込まれていたそうです。
建物によじ登って、とりあえず難を逃れた友人は、
まわりに、たくさん流される人を見たそうです。
「まるで、マネキン人形が大量に流れているみたいでさ」
「大量の魚の死骸が浮いてるようだったよ」
・・・・・
なんだかぼんやりしてしまって、あとは、何を話していたか覚えていません。
子供を助けるために、津波に流された奥さんは、
すっかり変わり果てた姿の為に、
それが奥さんだと判明するのに、相当時間がかかったようです。
それでも、、
「見つかっただけ良かったよ」
と、無表情な顔で、友人は言いました。
最近、週刊誌を読んでいても、少しずつ記事になっているようですが、
思わず顔をしかめてしまうような、悪い出来事もたくさん起きています。
友人、知人などから、漏れ伝わってくるのは、
だいたい、悪い噂話のほうが多かったりします。
有名人や芸能人が慰問に訪れても、
ボランティアの人たちがたくさん来てくれていても、
快く思わない人や、それを悪く言う人もいます。
光差すところ、必ず影ができるように。
ただ、どんな時も、何をするにしても、
人それぞれ、自らの「良心」を拠り所にして行動するだけだ、という信念は、
以前よりも、ずっと確信が持てるようになりました。
人は成長することにこそ、生きている意義があって、
そこに幸福や、充実感があると信じている私は、
「人は乗り越えることでしか、成長しない!!」
カベにぶち当たるたび、いつも心の中で唱えます。