心理カウンセラーの大塚統子です。
「また、言いすぎてしまった」「つい、強制してしまった」など、相手をコントロールしようとしている自分に気がついたことはありませんか?
あるいは、パートナーに対して「私のやり方の方がいいのに、なぜそうしないの?」とイライラしてしまうとか。
もしくは、「どちらが正しいか争ってしまう」「相手の素晴らしさが認められない」などに悩むとか。
こんな状態だと、「パートナーと一緒にいても安らげない」でしょう。
また、相手の魅力を感じられなくなってしまうでしょう。
パートナーや異性とつい勝ち負けの争いをしてしまうとしたら、それはなぜなのでしょうか。
また、どうしたらその争いを抜けていけるのでしょうか。
今回はそんなお話を書いていきます。
◆勝ち負けにこだわる理由
私たちは子供時代に「どうしたら愛してもらえるのか?」といろんな努力をします。
しかし、思うように愛されることは難しく、「どうやって傷つかないでいられるか?」を習得していくようになります。
その結果、「こうすれば自分は傷つかなくて済む」という自分のやり方が確立してきます。
そして、自分のやり方にこだわりが強い分だけ、ケンカや対立が増えてきます。
「相手が自分の言うことを聞くか」「自分が相手の言うことを聞くか」の勝ち負けの戦いが起きやすくなるからです。
◆背景にあるのは痛みや怖れ
「こうすれば自分は傷つかなくて済む」と自分のやり方にこだわるようになった心理的な背景には、かつて「愛してほしい」と望んだ自分を拒絶された痛みの経験があったりします。
相手の言うことを聞いて主導権を相手に渡してしまうと、過去に感じた「愛してほしいのに愛してもらえない」という痛みに、もう一度振り回されてしまうような怖れを感じることもあります。
だから、今度は傷つかないために状況をコントロールしようとしたくなるようです。
◆自分の成長を認める
過去には確かに「愛してほしいのに愛してもらえない」と傷ついたのでしょう。
特に、子供時代はどうしようもなかったこともあったのでしょう。
しかし、今は心身ともに成長しているのではないでしょうか。
相手に振り回されることなく、自分の意見をコミュニケーションすることだって、できるのではないでしょうか。
かつてはどうしようもなかったことも、今の自分なら乗り越えていけると、自分を信頼してみましょう。
◆目の前の人を信頼する
過去に傷ついた経験があると、どうしても目の前の人との間で同じことが起こるのではないかと不安になりやすくなります。
しかし、今目の前にいる人は、過去に自分を傷つけた時の相手とは別の人です。
過去の対人関係を目の前の人に重ね合わせるのではなく、目の前にいる人、その人を信頼してみましょう。
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「きっとこうなるに違いない。」と思っていると、「ほらやっぱり。」と思う事実を心が探し出しやすいものです。
例えば、過去に恋人に浮気された経験があるから不安になって、今の恋人の浮気を疑っていると、メールの反応が遅いことも、電話の切り方が素っ気ないことも、全部浮気を疑う材料にしかなりません。
「そうはならない。」と証明することは、非常に難しいものなのです。
それよりは、まっさらな心で、今起きている事実を見てみましょう。
過去の痛みから今の恋人の浮気を疑うよりは、今の恋人の言葉や態度を曇りのない目で見てみましょう。
過去の誰かと重ね合わせるのをやめて、目の前の人を見ると、目の前の人を過去の痛みとは無関係の人にできます。
どちらが正しいか、どちらが言うことを聞くのか、どちらのやり方を採用するのか、勝ち負けの争いを抜けるには、信頼がカギになってきます。
◆勝ち負けからの離脱
勝つか負けるか、勝ち負けで争う心があると、勝者・敗者を作り出します。
勝てば、その時は気分がいいですが、負けることにオソレを持ちます。
負けるとくやしいので、今度は勝とうと次の戦いに挑むことになります。
勝ち負けにこだわる限り、争いが終わることはありません。
いっそのこと、相手を敵にするのをやめて、勝ち負けの争いから離脱してしまいましょう。
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勝ち負けの争いは、こんな言い方もできるでしょう。
勝ちの状態は、「私は素晴らしい。あなたは素晴らしくない。」です。
負けの状態は、「あなたは素晴らしい。私は素晴らしくない。」です。
争いの状態を抜けるには、「あなたは素晴らしい。そして、私も素晴らしい。」と、勝ち負けを捨てて、お互いの違いを尊重しあうことです。
そのために有効なのが、コミュニケーションです。
相手とコミュニケーションして、相手を知れば知るほど、「私ががんばっているように、相手もがんばっている。」「私が苦しいように、相手にも苦しいことがある。」 というように、相手も自分と同じ一人の人間であることが見えてきます。
争う敵ではないと認識できれば、どちらかのやり方へのこだわりを捨てて、「私たちのやり方」を創造しやすくなるでしょう。
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ちなみに、パートナーシップで勝ち負けの争いの問題が起きたとき、信頼とコミュニケーションに取り組んでいくと、二人の間に幸せな関係が戻ってきます。
どちらが勝つかの争いを放棄して、 幸せな関係に進化していけるといいですね。
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