lec391.キャリアウーマンの恋(その2) | カウンセリングサービス 仙台オフィシャルブログ

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カウンセリングサービス代表の平準司です。

 

今回は前回からの続きで、30代半ばのキャリアエリートの女性の恋愛のお話です。

 

彼女は、男性顔負けのキャリアを誇る「恋愛よりも仕事」というタイプの女性でしたが、2つ年下の自分の部下に恋をしてしまいました。

 

まわりの人からは、仕事も恋もバリバリというタイプに見られていたのですが、実は、恋愛はまったく初心者だったのです。

 

彼女のお父さんもエリートで、彼女はお父さんのことをとても尊敬していたため、まるでお父さんのようになるために生きてきた側面がありました。

 

一方、彼女のお母さんは彼女とは正反対で、女性らしく家事や育児に専念するタイプでした。

 

しかし、彼女にとっては、それはとてもつまらなく退屈な人生に見えたので、彼女はお母さんのことを少しばかり軽蔑していました。

 

そして、彼女の目は、父親ばかりを追ってきたようでした。

 

そこで、私は彼女に「お母さんと恋の話をしてみたらどうですか?」という宿題を出してみたのです。

 

 

彼女はあまりお母さんの価値を見ていませんでしたので、「何を今さら」と感じていたようですが、切羽詰っていたこともあり、お母さんと恋愛の話をすることにしました。

 

彼女のお父さんとお母さんは、同じ職場で出会い、恋愛結婚をしたそうです。

 

バリバリ仕事ができるお父さんに対し、お母さんはお嬢様育ちだったこともあり、仕事はほとんど何もできなかったそうです。

 

そして、お父さんはそんなお母さんをいつもサポートしているうちに、結婚して人生までもサポートすることになったそうです。

 

お母さんは、彼女に対して思っていることや、言いたいことがとてもたくさんあったようですが、これまで彼女は、お母さんの言うことを聞きませんでしたし、お母さんにアドバイスを求めるようなこともしなかったので、お母さんとゆっくり話すのは、今回が人生で初めてだったそうです。

 

お母さんは、彼女ががんばりやさんであることを認めながらも、ものすごく意地っ張りで、いつも競争に勝つことばかり考えている部分があることをとても心配していました。

 

お母さんの目から見ると、彼女がまるで自分の劣等感と戦っているように見えたわけです。

 

心理学的には「エレクトラコンプレックス」と言うのですが、女性が自分の女性の部分につける点数が低すぎた場合、その低い点数を補うためにがんばりやさんになるという構図です。

 

自分が自分につけている点数が低い度合いだけ、がんばらないといけないことになります。

 

がんばること自体はすばらしいのですが、その動機がコンプレックスや劣等感からきている場合、どれだけがんばっても十分ではないと感じてしまうため、「一体いつまでやらなくてはならないんだろう?」とか「がんばっても、がんばってもきりがない」とくたびれ果ててしまうのです。

 

彼女の場合、30半ばでくたびれ果てているときに、思いがけず、部下から自分を女性として見られるという機会に恵まれ、彼女の女性性の部分が一挙に爆発してしまったようなのです。

 

お母さんとの話し合いで、彼女は「さすが母親だ。私のことをちゃんと分かっている」と感じたようです。

 

実際、お母さんが危惧したように、彼女は、周囲が彼女のことを評価するほどには、彼女自身が自分を評価できないという状況になっていました。

 

彼女は、結婚というのは、料理やそうじなど彼女が苦手なことをしなければならないものだと考えていたためため、あまり興味を持てずにいました。

 

彼女の心の中には、「お母さんのようにはできない」というコンプレックスが隠れていたようです。

 

2回目のカウンセリングで、彼女の深層心理を見ていくと、「お父さんのような理想の男性を手に入れるためには、お母さんのような料理上手、そうじ上手にならなければならない。でも、私はとうていお母さんにはかなわない」と思い込んでしまった彼女がいました。

 

お母さんとの競争に敗れ、劣等感を持つことから、彼女の人生のいろいろなことがスタートしてきたようだったのです。

 

(次回に続く)