lec275.ほんとうに別れたいもの | カウンセリングサービス 仙台オフィシャルブログ

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カウンセリングサービス代表の平準司です。

 

私たちの自己評価は、それはそれはひどいものだといわれています。

 

それがどのぐらいひどいのかは「あなたはどれぐらい自分以外の人や社会に対して文句を言っていますか?」という方法で調べることができます。

 

自分が悪くてひどいなんて、本来は感じたくないですよね。

 

ですから、それを強く感じてしまうときほど、自分の外の世界に「許せない人」や「間違っている出来事」を作り出し、それを責めつづけるわけです。

 

外の世界のだれかやなにかを責めている間は自分を攻撃しなくてすみます。

 

つまり、これは自己攻撃への防衛といえるのです。

 

しかしながら、だれかやなにかを責めているとき、その相手や事象は自分の味方には感じられません。

 

敵である人や社会に囲まれて生きていることになりますから、あなたは心を閉ざし、感じる感情はストレスばかりになってしまいます。

 

そこで、心理学の本やセミナーで必ず出てくる「自分を愛する」ということが必要になるわけです。

 

「自分は愛されるにふさわしい」とあなたが感じることができるようになると、自然とまわりにいる人があなたを愛したがっている人や状況に見えるようになります。

 

すると、その人たちや状況のことを、あなたも愛するようになるでしょう。

 

そして、あなたが愛するものはあなたの味方になりますから、そのような人や状況に囲まれているあなたの心が感じる感情は、安心感や安らぎです。

 

すると人の心にはゆとりが生まれ、そして、平和なものごとの見方・感じ方ができるようになっていくのです。

 

パートナーシップにも同じようなことがいえます。

 

恋愛において、初期段階では愛しあっていたカップルも、時間の経過とともに、パートナーを「私をだれよりも傷つける人」と見るようになることがよくあります。

 

「私を愛してくれる人」が「私をだれよりも傷つける人」に変わっていくわけですね。

 

すると、心のゆとりがなくなり、パートナーに対してもものすごく防衛的・攻撃的になりがちです。

 

それはまるで敵とともに過ごしているような状況です。

 

たとえば、離婚寸前のカップルからは、「この人と同じ空気を吸いたくない」とか「一緒の空間にいることが耐えられない」などということをよく聞きます。

 

しかし、この状況を心理学的に見ると、あなたがほんとうに耐えられないのは、パートナーではありません。

 

そうではなく、あなたが「パートナーに向けている敵意や攻撃性を感じることに耐えられなくなってきている」ということなのです。

 

言い換えれば、「私は自分のパートナーを敵視したり、攻撃したりすることに耐えられない」ということです。

 

さらに言えば、その思いは、「別れるしかない」ではなく、「愛しあいたい」という心の欲求が作っているわけです。

 

つまり、ほんとうに別れなければいけないのは、パートナーではなく、あなたの心の中にある敵意や攻撃性なのですね。

 

昔のような、彼を心から愛し、すべてを委ねられるような関係ではなくなっていることに、あなたは耐えられなくなってきているのです。

 

私たちはいつも「だれかやなにかを愛したい」と熱望しています。

 

これが人間の心の本質です。

 

だからこそ、愛が止まったような状況に、私たち人間は耐えられないようなのです。

 

そして、そこには罪悪感も伴います。

 

その罪悪感は、「私があなたを愛せなくなったのは、あなたのせいなのよ」とパートナーを責めなければいけないほど大きなものであるようです。